2014年7月6日日曜日

【介護入門】モブ・ノリオ(文藝春秋)

梅雨でジメジメ。何となく気分も重いですね。いかにも梅雨。空梅雨とか言われていたけれどね。どうもそうでもないらしい。各地で被害も出てるらしいです。気をつけないと。といっても相手は自然なので、手のうちようがないというところもありますが。

【介護入門】モブ・ノリオ(文藝春秋)
モブ・ノリオの芥川賞受賞作。自身の祖母の介護体験をもとに書かれたものらしい。ストーリーらしきものはあるようでないようで。介護している自分の心情を吐露している(それもかなり「現代的」な表現で)というところが新しいとされたのかも。
しかし、正直、こういう作品は読みにくいです。単語の(もっと言えば文字の)持っている印象(あるいは読者が感じる印象)がそのまま文字になってます。時々言葉の羅列でしかないのではないかというところがあり、そうなると読み手は一度自分の中で言葉を並べ直すか咀嚼し直すかして読み進めないといけないのですね。それはなかなかめんどくさい。
短い小説なのに、読むのに骨が折れました。
そして、こういう文章の方法は、別の作品に活かせるのだろうかという疑問もわきます。別のテーマで同じ方法を使っても、同じような印象にしかならないのではないか。つまり物語の内容まで踏み込んで感じることが難しくなるのではないかという危惧が生まれるわけです。
まあ、きちんとした読み手だと、そういう苦労はなんということもないのかもしれません。そう、賞の審査をする人達はきっといい読み手なんでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿