2017年12月31日日曜日

大晦日

今年は、ほぼ何も書けなかった。
何か障害があったわけではない。
ただ、めんどくさかっただけ。
いろんなことが。

これはどうなんだろうか。
なにか自分が後退している(色んな意味で)気がする。
このままでいいんだろうか。

ということを考えつつ、年末を迎えた。
気がつけば大晦日。

一昔前(いや、もっと前か)までは、年末は年始までの買いだめなどで忙しかった。
今では、年末年始も、どの店も開いている。
買い物もできる。もちろん。

というわけで、年末といっても、普段とあまり変わりのない毎日。
ただ仕事が休み、というだけである。

来年は、少しは変わる自分になるだろうか。
そんなことを考えつつの年末。大晦日。

2017年10月20日金曜日

パソコンのスペックと活用方法

「新しいパソコンを買ったら毎日ブログを書くと言ったではないか」
とぶたこに責められて、ああそういえばそういうことも考えておったなあ、とボオっとした頭で納得しかかったが、そんなことを言ったことはなかったのだった。もう少しで納得してしまうところであった。

といって、毎日何か書くことがあるわけでもない。
作家のいしいしんじは「ごはん日記」というのを公表していて、何も書くことがないときでも「ごはんは毎日食べるもんやし」ということで、何か書くことがあるに違いないという発想で書いているそうである。
自分をそんな作家になぞらえる気はさらさらありませんが。恐れ多い。

ちなみに、新しいパソコンのスペック:
マウスコンピューター(ぶたこ)
CPU:Celeron N3160(2MB/1.6GHz)
メモリ:8GB
SSD:240GB
液晶:15.6型ワイド グレア液晶(1366×768)

レノボ ThinkPad(たこぶ)
CPU:Core i5-7200U(2.50GHz, 3MB)
メモリ:8GB
HDD:1TB
液晶:15.6型FHD液晶(1920×1080)

ぶたこはFacebookを書いたりメールをしたり、時々翻訳などをしたりなどが主な用途。
わたくしは音楽プレーヤーとして使ったり、楽譜を書いたり、時々こんなブログを書いたり(新しくなるまでサボっていたが)
ということでこういうスペックに落ち着いたのである。

二人の共通して思うこと。。。
「画面が大きいと、見やすい!」
これは大きなことなのだ。
一画面に収まる情報量も大事だけれど、それが見えなければ意味が無いのである。
ともかくも。
快適パソコン生活の第一歩、となったと思っておこう。うん。

2017年10月18日水曜日

シーズンの終わり(阪神1-6DeNA)

最後のバッター、代打中谷が、自信なげに空振りして、今季のタイガースの戦いは終わりを告げた。

金本監督2年目で、大いに期待していたのだが。
その割には、今季は一度も甲子園には足を運ばずだったなあ。
ぐっと気合を入れる、ということができずじまい。ファンとしては失格です。

それにしても阪神園芸さんには頭が下がる。
一昨日、あんな大雨の中でもなんとか試合ができたのは、何と言ってもグランド整備してくれた皆さんのおかげ。
そして昨日も一日雨でしょう。
それで今日、午後からやっと晴れてきた、というなかでも、きれいなグランドができてたもんなあ。

それに答えられなかったタイガース。
まあ勝負は水ものですからね。まさに水に負けた?
いやいや、こういうことがあるのが野球なのだよ。
また来年に向けて頑張ってくれるだろう。

選手の皆さんには、ほんとにお疲れ様でしたと言いたい。そしてありがとうと。
来年も楽しい一年を期待していますよ。監督。

2017年10月17日火曜日

新しいパソコン

10月1日。ぶたこと二人で新しいパソコンを買いに行ったのだ。
いつもお世話になっているビックカメラで、店員さん3人を巻き込んで(そんなつもりはなかったのだが、次々に人が増えてきたのだ)、ああでもないこうでもない、この機能が欲しいあの機能はいらない、こっちのものであの機能をつけてはどうか、こっちのものにこの機能はないのか。。。。

あれこれ相談(こちらは相談のつもり)した結果。
ぶたこはマウスコンピューターのノート。わたくしはレノボのThinkPadにしたのだ。
↓詳しくはここ↓
ぶたこな日々:すっかり秋に

ぶたこのノートはその場で購入できたのだが、ThinkPadは注文生産なのだそうで。
そんなややこしいものを何故買ったのか、というと、売り場にはThinkPadの「即納」というのを売っていたのだ。
ただ、それはちょっと性能が落ちる。これのもうワンランクアップしたものもありますよぉ。と言ったのは3人の売り場店員の一人(たぶんレノボからの派遣の人)。
じゃあそれにします、ということになったのだけれど。調べてみたら現在在庫切れ。よその売り場にも残っていないということがわかり、それじゃあ注文しますか、時間はかかりますが、ということになり、時間など少々かかってもよろしいよ、別に今すぐどうしても何が何でもほしいわけでもいるわけでもないし、ということで後日配送ということに。

「遅くとも16日までには届けます」
と店員さんは言っていた。この場合の「遅くとも」というのは「まあ大体そのぐらい」早くなることは早々ないであろうと覚悟はしていたのだ。
しかして。
土曜日。すなわち14日の朝のことである。
宅配便が来られたのである。
まさかと思った、予定日より2日早い出産、ではなく配達。コウノトリではない。

狂喜乱舞したい気持ちを抑えて認印を押し、荷解き。
ブラックボディのレア物ではないけれど、懐かしのThinkPad。って今まで使ったことがあったのだったか。
店頭でいろいろ試して、決め手となったのは(パソコンの性能や価格もあるけれど)そのキータッチである。

今時はタブレット全盛であって、キーボードに興味を持つ者さえ少なくなってきておるようだ。タッチタイプができなくても、苦労する場面はないらしい。
むしろ画面上での文字入力が主流。指先でちょちょちょっ、ぴっ、と電車の中なんかでやっているのを見ていると、ああ時代は変わったのだ、わしは取り残されたのだ。やさぐれてやるこんな世の中。などとは思わないが、ともかくキータッチにはあまり心を砕いていないパソコンが多い、というのを改めて店頭にて実感したのだ。

そんななか。
ThinkPadは違っていた。一味も二味も違っていた。
キータッチはやや固め。しかし適当な反発力・弾力があって、キーを押した指を跳ね返してくれる。ぽよよ~ん。とは違うけれど。
人によっては「重たっ」と感じるかもしれないが、底を打つ感じではなく、人押しごとに跳ね返してくれる感覚。おおっ、これこそThinkPad! って、今まで使ったことはあったのか? 未だ疑問。
しかし、店頭に並んでいた他のノートパソコンを凌駕する(それも圧倒的に)キータッチであったことは間違いなかったのだった。

そいうわけで、早速キーをぱちぱちとやって悦に入る。
というわけには行かないのである。昨今のパソコンは。
設定、というのがいる。ネット設定。ソフトの設定。

あたりまえやんけ、と思うので、ここらへんは省略。
というか、ネットにさえつなげれば(それさえもほぼ自動で認識するのだね)あとの設定はほぼ御茶の子さいさい。便利な時代になったもんだなあ。

週末土日は、ほぼほぼパソコンの設定やら試し入力やらで、楽しい時間を過ごすことができた。

そして。

せっかくのキータッチを楽しみたくて、用もないのにあれこれ打てるぶろぐなるものを思い出し、4ヶ月ぶりにアップする次第。
いままでも思い出したように書き込みなんどをしていたが。タブレットでは入力は覚束ない。ブルートゥースのキーボードで入力などもやったが、時折予期せぬ動きを見せる(延々とeeeeeeeを打ち続けたり....)。
そんなこんなに閉口していた時も終わり。

またまたよろしくお願いします。誰に言ってるんだか。

2017年6月1日木曜日

気がつけば6月

前回の書き込みから早や1ヶ月超。
なんたること。
のんべんだらりと過ごしていると、できていないことは多い。

ただ。
この間、特に困ったことや厄介なことが起こったわけではない。
ただただ、何となくサボっていただけ。

その間、我らがタイガースは調子を上げ。
信じられないことに一時首位にも立っていた。(今日も勝ったなあ)

4月の終わり。
エラーも多いし、ピッチャーもフォアボール連発やし。
でもなぜか2位にいた時に、
「ひょっとしたら、今年は強いんかな?」
とチラッと思ったのだった。

それがホンマになったら面白いけどね。
エラーもせえ。荒れ球も投げえ。
ともかく一生懸命やってみい。


さて。
ペナントレースが始まると、読書の方はさっぱりである。
そらまあ、夜の3時間か4時間をテレビかラジオの前で過ごしてしまうのだからして。
読書の時間は少なくはなりますわな。

それでもまったく止めるわけではない。
またちょこちょこと更新すべし。
続きは明日以降。よし。

2017年4月26日水曜日

阪神0ー1DeNA(4月25日・甲子園)

今年は全試合を追っかけようと思っていたのだが。
4月半ばにして既に挫折。

巨人戦(東京ドーム)
4月21日:巨人4ー1阪神
4月22日:巨人1ー2阪神

だったらしい。
ぶたこの生徒さんの発表会などあり、バタバタしていて、試合を追いかけられなかった。
あ、フィギュアスケートの国別対抗戦もあったしね。
いやあ、日本女子は頑張ったよ! 羽生君のリカバリもすごかったけど。

で、今日の試合です。

惜しかったなあ。。。
秋山はとってもとってもよかったんだけど。
打線がベイスターズ・濱口を打てませんでしたね。
ベイスターズにとっては、いい投手が出てきた! ということですな。

まあ、こういうことがないと野球は面白くないからね。
見応えのある投手戦をありがとう。
できれば勝ちたかったけど。。。。

2017年4月22日土曜日

巨人1ー4阪神(4月21日・東京ドーム)

今日もフィギュアスケートを見ていまして。
野球はちょっとだけ観ました。

福留の先制弾。
そのあと、鳥谷のエラーがあって、先発・メッセンジャーがイラッとするのが見えたので、これはどうなることかと思いましたよ。そのあとジャイアンツ阿部の犠牲フライで1点とられたしね。

去年までのメッセンジャーなら、そこからどどどっと崩れていくところですが。
今年のメッセは精神的に強くなったみたいですね。
最大のピンチを、1点だけに抑えて。
8回まですいすい。
締めはドリス。
何とも理想的な勝ち方ですね。

3連戦の初戦を勝てたのはうれしいですね。
明日からの対戦を気楽に見られるし。


さて、ついでにフィギュアのことも書いてしまいますが。
宇野選手の演技にも感動しましたが。
何といっても羽生選手。
4T-1Lo-3Sの3連続ですよ。
最後にはもう一回3Aを飛ぼうとしたし。
どこまでチャレンジャーなんだろう。
でもこれで、来季は誰かが4ー1ー3とか4ー4とかに挑戦し出すかもしれませんね。
どこまでいくのか、フィギュアスケート。

2017年4月21日金曜日

中日5ー2阪神(4月20日・ナゴヤドーム)

今日はフィギュアスケートの国別対抗戦もあって、生で見てないのです。申し訳ない。
宇野君の演技や、羽生君のジャンプを観ながら、チロチロと横目でウェブをチェックしてました。
だからまともなことはいえないのですが。。。。

あまりいい負け方ではなかったようですね。
昨日に引き続き。。。。。

昨日はエラー。
今日は1点差で、まだまだ追い上げるぞ、と言う意気込みで送り込んだ(たぶん)マテオが、ビシエドに今季初ホームランを打たれてしまいました。
はれまあ。。。

昨日も打たれてましたしねえ。
大丈夫かな、マテオ。

ドラゴンズは、開幕以来あまり調子がよくなかったですが。
打順を入れ替えたのが功を奏しつつあるのかな。
目覚めさせてしまったか。。。。

まあ長いシーズンですから、好不調の波もあるし。それは個人にもチームにもね。
その波を乗り切ってこその最後の結果ですから。

長い目で見ていきましょう。
まだまだ試合は続くのです。
何が起こるか分からないのがスポーツ。羽生君だってミスをする(たはは)。
それを誰かがカバーする。
カバーできるチームが強いのです。きっと。

2017年4月20日木曜日

中日4ー3阪神(4月19日・ナゴヤドーム)

連続試合出場単独2位となった鳥谷が。
最後はタイムリーエラー。
とほほ。

しかし、それよりも知りたいのは、8回裏。
2死2塁で、どうして大島は敬遠じゃなかったのかなぁ。
マテオの強気に賭けたのか。
 四番バッターで勝負! というのが嫌だったのか。

まあわかりませんが。
とにかく結果は結果。

とはいえ、こういう試合もありますわな。
先発・秋山。途中からは、よかったけどなあ。
次に期待しましょう。

2017年4月19日水曜日

中日1-3阪神(4月18日・ナゴヤドーム)

今年のドラゴンズはどうしたんでしょうねえ。
いや、他のチームのことはあまり話題にしたくはないのですが。
チーム事情とか、よく知らないし。

かつて優勝争いをしていたときは、打てなくても、ガッチリとした守りで勝っていたチーム。
今日は、走塁の失敗、バントの失敗などが目立ちました。
失敗が目立つのは「失敗の少ないチーム」という刷り込みがあるからですけどね。
助けられた場面も多かったなあ。

いやいや、それもこれも、先発・岩貞のピッチングがあってこそ。
7回と3分の2。よく投げました。

先発投手が長いイニングを投げると、試合のリズムが良くなる気がする。
今日はドラゴンズ先発・バルデスもテンポの早い投手なので、試合全体が引き締まっていました。エラーも少なかったし。

そんな中で勝てて、気持ちいいですね。

2017年4月16日日曜日

【六月の夜と昼のあわいに】恩田陸(序詞:杉本秀太郎)(朝日新聞出版)

明日は健康診断なので、今日は夜9時以降は絶食である。
水しか飲んじゃだめ。
まあ毎晩寝る前に何かを飲むとか何かを食べるとかいう習慣はないので、どうってことはないけれど。
静かな夜を過ごしています。

【六月の夜と昼のあわいに】恩田陸(序詞:杉本秀太郎)(朝日新聞出版)
絵と、短歌(俳句)とに触発されたかのような短編集。
それぞれの絵を見て、それについた短歌を読んで。
で、ストーリーに入っていく。
それぞれは、ややモノローグ風の奇妙な話が多い。
説明の柄なさそうな物語や、突飛もなさそうな物語。
「Interchange」という最後の作品が、この短編集のすべてを表しているのかも。
どこかで交わっている世界。どこかの場所で。どこかの時間で、クロスしている世界。
ときどき恩田陸の作品に現れる、そんな世界が、絵とともに語られると、もわっとした幻想がもっと膨らむような。

阪神2-1広島(4月16日・甲子園)

何が勝利に貢献するのか。貢献という言い方はおかしいけど、「あのプレーが」とか「あれがなかったら」というのが1試合に1つぐらいはある。
「たら・れば」で試合は決まるのだ。

もしもカープの抑え・中崎が休んでいなかったら。
九里は7回ぐらいで交代だったかもしれない。
5回で、立ち直りの兆しのあった能見をすっぱりと交代させたタイガース。
結局その回に得点はできなかったけれど。
中継ぎ・抑えに自信がなければできないこと。

まあそれにしても、4安打で勝利なんてねえ。
ツイてました。ともいえるかな。
カープは初回のチャンスで大量得点できなかったのが痛かった、などと言われるのでしょうね。

なにはともあれ。好調カープに勝ち越したのはいい兆し。
藤浪はインフルらしいけれど、調子上向きで、これから前進、前進。

2017年4月15日土曜日

阪神4-2広島(4月14日・甲子園)阪神1-7広島(4月15日・甲子園)

今日は親戚の法事で出かけていて、ゲームは観ていないのです。
どうやら、先発青柳がいろいろやらかしたようですね。
前回登板は2回まで投げて、雨天ノーゲームとなったものの、制球も良くていい内容やなあと思っていたのですが。
おそらく、ファンもベンチも、本人さえもそう思っていたことでしょう。

しかしね。そうそう思ったようにはいかないんだねえ。
先制されてあせったのかなあ。
まあ、ゲームを見てないので、なんともいえませんけどね。
次、頑張りましょう。

というわけで、現状カープに勝利しているのは、リーグ全体でもメッセンジャーだけ。
じゃあ、明日も投げてもらおか、というわけにはいかないので(^◎^;)

それにしても、カープは強いなあ、と思うけど。
まあまだペナントレースは始まったばっかりやし。
あせらずに観ていきましょう。長い目で。

2017年4月13日木曜日

DeNA1-4阪神(4月13日・横浜スタジアム)

2日前に投げるはずだった両投手。今日は投手戦。
前回登板(ヤクルト戦)では、コントロールがままならず、危ない投球でバレンティンと矢野コーチの退場撃にまでしてしまった藤浪。
今日は見違えるような投球でした。
何しろフォアボールが少なかった。1個だけ?
ヒットを打たれても、ダブルプレーで切り抜けたり。
運もありましたな。

一方のベイスターズ・井納も、5回までノーヒットピッチング。
打たれへんような気になりかけたけど。
こういう時って、1本出ると続いてしまうのだね。
6回に3連打で先制したタイガース。

しかしその裏に、梶谷の同点ホームラン。
なんか緊迫したゲームでしたな。

こういうとき、投手交代とか、攻め手をいつ出すかとか、すなわち采配が勝敗を決めるのですね。
ベイスターズ、チャンスで井納に代打。しかし無得点。
タイガース、藤浪続投。結局9回まで引っ張って引っ張って。
9回表で一気に3得点(^O^)
ベイスターズ・山崎が、今日は不調でした。いや、タイガースがうまく攻略した、と言っておこう。

投手戦は、試合のテンポもいいし、緊張感もずっと持続するし、いい感じです。
まあそればっかりでは面白くないけれど。
そして、やはり無失策というのは、なんといっても気持ちいい。
この調子、続けてほしいなあ。

2017年4月12日水曜日

【その女アレックス】ピエール・ルメートル(橘明美訳・文春文庫)

フランス・パリ。准看護師のアレックスは、見ず知らずの男に誘拐・監禁される。廃墟となった建物の地下室で、檻に閉じ込められ、ネズミの餌食にされようとしている。パリ警視庁のカミーユ警部は必死の捜査で行方を追い求めるが、追い詰められた誘拐犯は、換金場所を教えないままに、自ら命を断ってしまう。瀕死のアレックスは自力で脱出を図るが。。。。。。

というところまでは、なんとかあらすじを話せるけれど、ここからあとはとてもとても。展開が意外すぎて、どうにも言いようがない。
誘拐事件 → 監禁 まではついていけるけれど、その後の連続殺人 → 復讐劇(!)となっていくところは、なんとも。。ああこれ以上は言えないか。

犯人を追い詰めていこうとするカミーユを始めとする警視庁の面々のキャラクターもとてもいいし、その心情がどんどん動いていくのに共感していく自分もいて、最後は快哉を叫んでしまいそうになる。なんてこと。

さすがは「このミステリーがすごい!」1位の作品。
ちなみに、この前の作品として「悲しみのイレーヌ」があって、これがカミーユ警部シリーズの1作目。日本では2作目となる「その女アレックス」が先に翻訳されてしまって、ちょっとややこしいことになっている。今から読むのなら、ぜひとも「悲しみのイレーヌ」から読んだほうがもちろんよい。今作の細々とした描写の意味が全てよく分かる。

DeNA6-8阪神(4月12日・横浜スタジアム)

桜満開の知らせは色んなところから届くのに、なかなか暖かさ満開、とはいかず。
とはいえ、先週から続く風邪ひきは、どうやら峠を超えたようで。
日ごとに体調は良くなっている。
ただ、天気は良くならない。
ぱあっと春らしくは、なかなかなってくれない。

雨で中止となって1日待たされてのDeNA戦・横浜スタジアム。
藤浪がスライド登板するのかと思いきや、秋山先発。
今年はかなり期待されている、ということやなあ。

その期待に答えての今季初勝利。
まあ7回途中で降板というのは、まだまだなところもあるのかなともうけれど。
昨季までとは全くイメージが違う。いい意味で。
これからも期待できる。次回はもっと長いイニングを。

それと。失点するときのイメージがあんまりよくないのも困る。
連打、のイメージが強いなあ。
これもまた、これからということか。

途中のイニング、満塁のチャンスが2回もあって無得点、という攻撃も、ちょっとは影響したのか。
まあそんなことに影響されないような投手になって欲しいけれど。


一昨日の晩は、浅田真央引退のニュースに驚いた。
次のオリンピックまでは頑張るのかなと思っていたし。
まあ、今の得点システムでは難しいこともあるのかなとも思っていたけれど。
以前のように、ちょっと失敗したくらいでは減点されない演技、というわけには行かなくなってきている。
(それを考えると、今季復活したコストナーはすごい、ということになるけど)
それでもあの美しい滑りがあれば、とも思っていたのだけれどなあ。

スポーツに「たら・れば」はなし、と言われるけれど、「たら・れば」を想像(妄想?)するのもファンの楽しみの一つと、許してほしい。
もしももしも、トリプルアクセルにこだわらず、他のジャンプの精度を上げるなどの方向に努力していたら、もっと違った形になっていたかもしれない。コストナーみたいに。あるいは、かつて安藤美姫が「4回転ジャンプ」から「表現力」にシフトして成功したときみたいに。
でも、それは、あり得なかったのだろうなあ。
一昨日から何度か流される、現役時代の映像に、何度も涙してしまう。あの時の感動が蘇る。たぶん、何度思い出しても涙してしまうだろう。これからもずっと。そういう選手だった。ありがとう。お疲れさま。

2017年4月9日日曜日

阪神4-3巨人(4月9日・甲子園)

医者に処方してもらったお薬が効いてきたようで、体調は戻りつつある。
午前中には洗濯もし、図書館にも行き。図書館までは歩いて15分はかかるので、ちょうどよいリハビリ。汗をかいたのは熱のせいではないと思う。むしろ体温は下がっていたし。休むのは良いことだ。

甲子園でのデーゲーム。昨日は2回まででノーゲームとなって、さて今日はどうなるか。昨日の先発青柳は、いい立ち上がりをしてたなあ。今季始めってから、先発投手の立ち上がりがどうにもよろしくないので、今日の能見はどうだろうか。

その立ち上がり。三者凡退。なかなかよろしいじゃないか。この調子で行けるところまでいけ。
対するジャイアンツ大竹もなかなかの立ち上がりで、北條の一発はあったものの、今日は投手戦。

そして試合が大きく動いたのは7回。
表の攻撃でジャイアンツが反撃。3連打で同点。能見降板。
このあたり、7回でつかまるというのは、何か原因があるのかな。球の力が劣ってくるとか、球種とか攻め方が読まれ始めるとか。これは今後の課題。
で、代わった桑原が2死から、代打亀井にタイムリーで逆転され。
この時点で、今日もアカンのかなあとおもいましたがね。

しかししかし。7回裏には北條が、この日2本目となる2ランホームランで同点。
さらに8回には、リリーフの森福から上本が勝ち越しホームラン。

得点がすべてホームランというのも、タイガースらしからぬところですな。
しかも北條と上本ってねえ。いやこれは失礼。

まあともかくも、勝てばよいのである。
去年はなかなか白星をあげられなかった甲子園の巨人戦で、早々に勝利したのはうれしい。ほっとした。

それにしても、選手の交代というのは難しいらしい。
ジャイアンツは、代打亀井がズバリ的中したけれど、リリーフ森福が打たれてしまった。
タイガースはリリーフ桑原が逆転を許し、高山の代打・中谷は凡退した。それでも勝った。
あ、そういえば最終回、守備交代でファーストに入った荒木の好プレーもあったなあ。
いろいろな采配がうまくいったりいかなかったりする。
そこが野球の面白いところ。
今日もまた、両チームとも無失策のいいゲームでしたし。

【あの素晴らしき七年】エトガル・ケレット(秋元孝文訳・新潮社)

朝起きると喉が痛い。熱を測ると37度。朝一番でこれはちょっとまずいかも。これから上がっていく可能性大。
ということで、朝のうちに近所のお医者さんへ。待合で待つこと1時間。これぐらいは覚悟のうえ。むしろ何もせずに1時間を過ごしたことで、心も体も落ち着いた感じ。とは言え微熱とのどの痛みはそのまま。
診察室で、関節の痛みはありますか。ノー。熱は高いですか。37度。鼻水は。昨日ぐらいはあったかなあ。聴診器を胸と背中に当てられる。
風邪ですね。
ということで、お薬を出してもらって、あとは安静にどうぞ。症状が重くなるようだったらまた来てください。

そんなわけで、毎食後、お薬飲んで、あまり動き回らずに一日過ごす。
テレビで野球中継を見ていたが、甲子園は試合途中で雨が激しくなってノーゲーム。

【あの素晴らしき七年】エトガル・ケレット(秋元孝文訳・新潮社)
イスラエルの作家&映画監督その他のケレットの、短いエッセイ集。
息子が生まれてからの7年間を振り返る。
息子の成長を記録したほのぼの日記かと思いきや、さにあらず。
イスラエルは今も(いつでも)戦闘状態なのだ。
さらには、ブック・フェアで訪れる国々でも、ユダヤ人差別を肌で感じる。
しかし、それらをこの作家は、深刻に伝えるのではなく、ユーモアとペーソスで味付けして差し出してくれる。
もちろん、それは現実世界からの逃避なのかもしれないし、この人独特のやり過ごし方なのかもしれない。
そんな風に生きている人は、きっと多いのだ。
昔の日本もきっとそうだったのだ。
そんなことを考える。

2017年4月8日土曜日

阪神3-5巨人(4月7日・甲子園)

急に暖かくなって、体が追いつかない。湿気はいっぱいあると思うのに(どこもかしこも霞んでいる)喉が渇くのは、ちょうどサウナに入っているのと同じ状態ということなんだろうなあ。ようやく暖かくなったのだからもっと喜びたいのだけれど、体がついていかないので喜べない状態。雨だし。雨が止んでも切り出し。もやっているし。視界は悪いし。なんとなく熱っぽい気がして、朝トーストを食べたあと、念のためにと風邪薬を服用。普通の顆粒なんだけど、効き目が良すぎてか、一日中眠気が取れず、夢現の状態で仕事をこなすことになった。それでも文句なく終業時間までおれたのは長年の経験が生きたとしか言いようがない。

こんな状態だから、伝統の一戦・甲子園開幕戦といっても集中して観続けることも出来ず。うつらうつらとテレビの音声を聞いていた。
序盤に4失点。どの投手でも立ち上がりは難しいと言われるけれど、条件は敵味方同じなのだから「何かが違う」のだろう。それを妄想するのはファンの楽しみで、真剣に考えるのはベンチの人たちなんだろう。考えてください。

タイガース先発の岩貞。立ち上がりこそ失点したけれど、その後はまずまず。まあ球数は多かったけどね。好打者が揃っているジャイアンツ相手だと、それも仕方がないというか、織り込み済みだと思うけれどね。ジャイアンツ相手に「長いイニングを」というのも難しい話、なんでしょうね。

結局は相手ペースのままで敗戦したわけだけれど。そんなに落ち込むような内容ではないと思うなあ。松田、高橋といった中継ぎはきっちりと抑えていたんだし。
あとは攻撃ね。まあ序盤、チャンスでダブルプレーというのが目立ったけれど。それもありうることだからね。
ちょっとの違いで勝ったり負けたりが野球なのだ。今日はちょっとだけ、ジャイアンツに分があった、ということですわな。圧倒的な力の差というのは感じなかったし。長い一年は、まだ始まったばかりであるよ。

2017年4月7日金曜日

阪神5-4ヤクルト(4月6日・京セラドーム)

ゲームですから、試合ですから、勝つのは大事。
初回の4得点で今日は楽勝なのかな、と思いきや。
毎回先頭バッターを塁に出すという、ハラハラの展開。
そして追いつかれ、延長戦。

観ている方としては、もっと楽に勝てそうやったのに、なんて思いますが。
こういうことがあるから野球は面白いのですよね。
ハラハラドキドキがなければ、スポーツなんてつまらない!
ギリギリで勝つ。
それでも勝ちは勝ちですから。

というか。
こういう試合を勝つチームが、最後まで強いのではないか。
と思いますね。

2017年4月6日木曜日

【最後の秘境 東京藝大-天才たちのカオスな日常】二宮敦人(新潮社)

有名だけど内実はよくわからない、という場所はいろいろある。大学などはその一つ。それも日本でも頂点にたつ「芸術系の」大学ならなおさら興味が湧く。

夫人が現役の藝大生ということから、その内実に迫る。というよりも、そこで学ぶ(?がつく)学生たちの実態に迫る、というドキュメント。

といっても、裏側を暴く、と言ったていではなく、本当にそこで学んでいる学び方などをそのまま切り取っているのだが。
その「日常」そのものがすでにおかしい。

美大と音大の差。それぞれの学生のこだわり。
信じられないような競争率を経て入学した学生たち。
変人でないわけがない。
もちろん、教授陣も「ここでしか仕事がなさそうな」人たちばかりのようだし。

金属造形の学部では「命の危険がある」機械が普通に動いている。
音楽系では打楽器の話がやっぱり面白かったかな。なんでもやらないといけないから。
藝祭(学園祭?)では、学長が絶叫し、意味不明なパフォーマンスが学部の垣根を超えて繰り広げられる。

芸術の最高学府なのだから、まあこんな人もいるだろうなあ、まあそんなこともあるだろうなという話もあるけれど、やっぱり普通じゃないかも。

ただ、最終章では、お互いの学科を認め合い、尊敬しあっている部分も見えて、変なところ、ということだけで終わるのではないものを感じさせてくれる。
芸術って面白いなあ。いいなあ。と思うよ。

阪神4-1ヤクルト(4月5日・京セラドーム)

いやあ、ようやく勝てましたなあ。
糸井の一発で勝負あり。

それまでは。。。毎回のようにランナーを出すも(それもノーアウトで)なかなか得点ができなくて、鬱々とした気分でした。
いつもなら、これでガタガタと行くところ。

それを堪えたのはタイガースの投手陣。
先発の秋山。リリーフの桑原、マテオ、ドリス。

やっぱり野球で勝つには投手かな。

それと。ようやく失策ゼロ試合でしたね。両チームとも、というのが気持ちいい。
これでこそプロ野球です。

2017年4月5日水曜日

阪神1-3ヤクルト(4月4日・京セラドーム)

今年の(も?)藤浪はピリッとしませんなあ。
8四死球ですか。
おまけに乱闘騒ぎまで引き起こし。
バレンティンに矢野コーチが退場。

打線もつながりを欠き、糸井の本塁打のみ。

まあ、見どころというか、いいところと言えば中継ぎの松田、藤川が気合のあるピッチングを見せたところ、ですかね。

守りにもちょこちょこともたつきが垣間見えて。
どうしたものかなあ。

あ、いやいや、そんなことはない。
中継ぎがよかった、ということは、これからのゲーム、途中まで勝ってたらなんとかなるという目途がついたといういことですよ、これは。
打つ方だって、さっぱりというわけではなく、いつもの開幕時よりもよく打ってるくらいやし。
あとは守り。
それもきっと、これから慣れてくるって。

まだまだ開幕4戦目ですよ。
ペナントレースは始まったばかり。
これからですよこれから。(c)吉田義男

2017年4月4日火曜日

【私の家では何も起こらない】恩田陸(角川文庫)

幽霊屋敷ものの連作。
小さな丘の上に立つ古い洋館。そこにまつわる過去からの物語。
いわば「お屋敷の年代記」

ちょっとブラッドベリ風。
だけど、恩田陸らしい(と言っては怒るかも)時間差攻撃で、一瞬くらっとさせられる。

10個の作品が、それぞれ独立していながらつながっている(だから連作なんだけど)。
恐ろしくもあり、ほのぼのともし。その両方を掴み取っているのがさすがです。

2017年4月3日月曜日

【黒と茶の幻想】恩田陸(講談社文庫)

大学の同窓生で30代後半の男女四人が、屋久島(Y島)への旅を通じて、過去の謎すなわち、四人の間にあるわだかまりを解いていく。

四人それぞれの語りで作られる4つの章。それぞれの視点が少しずつ違っていて、それぞれの章で一つの物語が完結していく一方、複合的に謎が明らかとなっていく、その構造の素晴らしさ。作者の構成力の確かさが遺憾なく発揮されている。

どこか感の鋭い利枝子、元美少年の彰彦、利己的だが魅力的な蒔生、一見天真爛漫な節子。蒔生と利枝子は学生時代はカップルだったのだが、利枝子の親友・憂理に蒔生が惹かれたことにより、別れていた。一方、蒔生は彰彦の姉とも関係を持っていた。

四人が持っている、過去の謎を解く、その過程がとても面白い。各々には、他人には言えない事情があり、しかし年を経て、別々の家庭を持った今となっては、隠しておくことも苦しいこともあり。。。。ということで、いろんな謎が解かれていくのである。

さらにさらに。ここは恩田陸の真骨頂だと思うけれど、四人が「謎解きゲーム」のように話し出すいろんな「謎」の面白いこと。そしてそれを解いていくのも組み込まれていて、一つの話に一体どれだけのミステリーを放り込んだら気が済むんだっ! と言いたくなる。

その上その上。本人作の「麦の海に沈む果実」のストーリーまで組み込まれてしまって。
いやはや、「集大成」と言うにはあまりにも内容豊富。深刻なものからユーモアまで、これだけのことを一つの作品に押し込めてしまうとは。

2017年4月2日日曜日

読書メモ

2月~3月に読んだ本。

【あひる】今村夏子(書肆侃侃房)
【夜行】森見登美彦(小学館)
【七月に流れる花】恩田陸(講談社)
【八月は冷たい城】恩田陸(講談社)
【象と耳鳴り】恩田陸(祥伝社)
【光の帝国-常野物語】恩田陸(集英社文庫)
【タマゴマジック】恩田陸(河北新報出版センター)
【クラウドガール】金原ひとみ(朝日新聞出版)
【六番目の小夜子】恩田陸(新潮文庫)
【ネバーランド】恩田陸(集英社文庫)
【月の裏側】恩田陸(幻冬舎)
【私をくいとめて】綿矢りさ(朝日新聞出版)
【麦の海に沈む果実】恩田陸(講談社文庫)
【僕の名はアラム】ウィリアム・サローヤン(柴田元幸訳・新潮文庫)
【MAZE(メイズ)】恩田陸(双葉文庫)
【ドミノ】恩田陸(角川文庫)
【PUZZLE】恩田陸(祥伝社)
【果てしなき旅】ゼナ・ヘンダースン(深町真理子訳・ハヤカワ文庫)
【ライオンハート】恩田陸(新潮文庫)
【悲しみのイレーヌ】ピエール・ルメートル(橘明美訳・文春文庫)
【おおあたり】畠中恵(新潮社)
【誰もいないホテルで】ペーター・シュタム(松永美穂訳・新潮社)
【十二人の死にたい子どもたち】冲方丁(文藝春秋)
【図書室の海】恩田陸(新潮文庫)

広島9-1阪神(4月2日・マツダスタジアム)

なんともはや、ボロ負けですな。
「投打に精彩を欠く」という上に、守りでも精彩を欠いていました。
負けて当然。

先発能見。
ちょっと丁寧すぎたのでは。
ライト福留。
7回のエラーもだけど、初回の送球も、間に合わない本塁送球なんて、どうも福留らしくない。
ふたりとも、大丈夫なのか。
どこか、不安定さが感じられます。

ひとり気をはいていた糸井が、デッドボールで途中交代。
何もかもうまく行きませんね。

対するカープは、昨日、一昨日は、らしからぬミスもあって、大丈夫なのかなあと思わせましたが、今日になって本来の力を取り戻しつつあるような雰囲気ですね。
って、相手チームを褒めている場合ではないですが。

今年はこんな感じでいくのかなあ。
どうやら覚悟を決めて、一年を過ごさないといけないようです。はい。

挑む!

2017年4月1日土曜日

広島9-8阪神(4月1日・マツダスタジアム)

どうやらタイガースは負けたらしい。

テレビ中継は途中まで。
そらそうやろう。
1イニング終わるまでが1時間近く。
とにかく両チームの投手が総崩れ。
1試合28四球の新記録。
何という試合。

加えて、タイガースは4失策。
それでは勝てませんわな。
というか、勝っても面白くないというか。
まあ、昨日の試合でも不安はありましたが。
そのとおりの今日の結果、というところでしょうか。

両チームとも、もちょっと、締まった試合をしてほしいですな。
毎回こんな試合展開だと、勝っても負けても(負けたら一層)疲れが残る。

広島6-10阪神(3月31日・マツダスタジアム)

開幕しました!プロ野球!
例年より興味は薄いはずだったのですが。。。
開幕となると、やはり血が騒ぎます。

雨が心配された開幕戦。
しかしそこはマツダ(ドーム・ドーム)スタジアム(^◎^;)
30分遅れで試合開始。

で、序盤からカープの沢村賞投手ジョンソンを攻略しての8得点。
と、流れは良かったのですが。
6回裏のメッセンジャー続投で3失点した当たりから雲行きが怪しくなりました。
これは、去年の勢いから行くと。。。。と心配していましたが。
9回表に、福留の2ランが出て、ほっと一安心。

まあ、結局は打ち合いに勝った、ということですけどね。
守りのミスとかね、いっぱいあって。
どうにも不安な始まり、という気がしないでもありません。

守り勝つ野球、というのを見せてほしいけど、今年は打つ方で期待するしかないのかな。
ともかく、1勝ですっ!

2017年2月12日日曜日

2月の読書(1)

気がつけばはや2月。各地大雪で大変そう。暦の上ではすでに春なのに。今年はどうやら波乱含みの一年か。

【オスカー・ワオの短く凄まじい人生】ジュノ・ディアス(都甲幸治・久保尚美訳・新潮社)
ドミニカ共和国について、知っていることと言えば何人かのプロ野球選手、暑い国、ということぐらい。実は長年にわたって独裁政治が行われていて、アメリカ合衆国がその後押しもしていたらしく、ひどい時代が続いていたようだ(詳しくはWikiなどでどうぞ)。
という不毛な時代のドミニカという国と、その出身でアメリカで暮らしている家族、というのをバックにした小説。
といっても、堅苦しさは微塵もない。それどころか主人公のオスカーは、もてナイ君代表のような見目も中身も同しようもないオタク青年。出だしから本文を凌駕するような注釈(主にアニメやSFなどのオタク系の詳細な解説)に圧倒される。しかし話が進むに連れて、その家族のなりたちや政治的背景が浮き彫りになり、オスカーの「短く凄まじい人生」は・・・。という、いやはや色んな意味で「圧倒的な」小説であった。

【美について】ゼイディー・スミス(堀江里美訳・河出書房新社)
何事にもリベラルを貫こうとする(故に諧謔的にもなっている)美術史家大学教授ハワードと、そのライバルである保守派・クリスチャンのキップス。キップス家の次女ヴィクトリアとハワード家の次男ジェロームとの関係から始まって、一見ハチャメチャな展開ともいえる人間関係の渦が繰り広げられる。いやはや。
さまざまな対立の構図が展開され、人の心は一筋縄ではいかんのだなあと(あたりまえなのだが)思い起こさせてくれる。いや、楽しい物語ですよ。分量が多くて読み終わるのは大変だけど。

【神よ、あの子を守りたまえ】トニ・モリスン(大社淑子訳・早川書房)
ノーベル賞作家トニ・モリスンの新作(2015年)。両親よりも黒い肌を持って生まれてきたブライド。母の愛を得るために取った行動がトラウマとなって彼女を苦しめる。
非現実的な部分もあるのに、とてもリアル。謎解きの面白さもある。
なにより、2015年作ということは、84歳! にしてこのパワー溢れる作品のタッチ! 恐ろしきはトニ・モリスン。ひれ伏すしかありません。ははあ~。

【海に帰る日】ジョン・バンヴィル(村松潔訳・新潮社)
妻をなくした男が訪れた場所は、少年の頃に過ごした海岸。かつて彼は、そこで恋(精神的にも肉体的にも)に目覚めたのだった。少年の遊び友達だった双子の姉弟とその両親との日々。
時間軸があっちに行ったりこっちに行ったりするのはバンヴィルの得意とするところ。死に瀕している妻の話になったり、子供の頃の話になったり、現在の話になったり。そして時々記憶違いがあったり(それを記憶違いと知りつつ、そのまま話を進めていく)。という不思議さ。
時制がはっきりしている英語の原文だったら、もっとおもしろいのかも。ブッカー賞受賞作。

直木賞受賞を記念して(勝手に)、恩田陸作品をまとめて読み直そうとしています。
【雪月花黙示録】恩田陸(角川文庫)
最近の作品。学園ファンタジーもの。こんなものも書けますよ、といったところ。

【球形の季節】恩田陸(新潮文庫)
デビュー間もないころの作品。結末が曖昧なところが、わたくしの好みです。

【不安な童話】恩田陸(新潮文庫)
こちらも初期の作品。結末が、曖昧というより、二重、三重の仕掛けがあるのが恩田陸流なのですが、すでにその特徴が。

【木曜組曲】恩田陸(徳間書店)
こちらも同様。これで終わりか、というところからさらに深い「真相」に行き着くところがねえ。はまりますなあ。

【三月は深き紅の淵を】恩田陸(講談社文庫)
これ、ちょっと変わってますね。「三月は深き紅の淵を」という本をめぐる連作。本文の中に、作品の内容が入れ子のようになっていて、というのがまた作品中に書かれていて、という、なかなか凝った作品。ちょっと凝りすぎたかも。
「木曜組曲」とこの作品と、「本」を主題とした作品が続きました。途中で作者の「小説観」みたいなものがちらっと見えるようなところがあって、そこも面白かったですね。

2017年1月28日土曜日

「この世界の片隅に」を観る

久しぶりに映画館へ足を運びました。巷で評判の映画「この世界の片隅に」を観に。

近所の「布施ラインシネマ」は適度に空いていて(土曜日でこの観客数で大丈なのかと心配になるくらい)、特等席での鑑賞。

昭和10年代~20年代、すなわち戦中、戦後の呉・広島を舞台にしたアニメ。

当時の庶民の生活(文化も含めて)がそのまま描かれていて、評判どおりの素晴らしい映画でしたね。
映画が始まったときは、今まで見てきたジブリアニメに比べて、線が大雑把だったり表現がいかにも「マンガ」っぽいところが目について、予算がないのかなあなんていらぬ心配をしたりしましたが。
それはほんまに「いらん心配」でした。
画像の質と映画の質とは、関係ないのですね。
確かに画像が綺麗だとそれだけで「見せられる」のですが。
そうでなくても、伝えようとするものは伝わるのだなあ。

苦しい、悲しい時代でも、なんとか楽しく生きようとする市井の人たちの姿に、なんだか心打たれました。
年取ってきて(この映画も夫婦50歳以上割引で観られるくらい)ちょっとしたことにも感動してしまうようになってきたのですね。ちょっとした場面に、思わずぐっときてしまうことが二度三度ならず。

ユーモアとシリアスと、悲惨さと面白さと、ファンタジーと現実と。いろんなものがとてもいいバランスで表現されていて、とてもいいなあと思います。
主役ののんは、はまりすぎ! 他には考えられない配役でしたね。
観終わったあとに、映画の中のファンタジーにしばし浸っていたい気分にさせられました。

2017年1月23日月曜日

【いい人になる方法】ニック・ホーンビィ(森田義信訳・新潮文庫)

アメリカは多民族国家だし多様性を標榜してきたのだから、これからもそういう国であってほしいと、海のこっちがわからだけど、親しい間がらなんだしということで、そんなふうに思うのです。

【いい人になる方法】ニック・ホーンビィ(森田義信訳・新潮文庫)

女医のケイティの夫デイビッドは、新聞のコラム欄に毒舌コラムを載せる仕事をしている。もちろん家の中でも何かといえば皮肉と毒舌。医局では「常連」患者に心を悩まされ、二人の子供にも手を焼くケイティは、あまりの苦しさについ離婚も考え始めている。
と、そんな時、腰痛を治そうと怪しげなヒーリングに出かけたデイビッド。帰ってきたら信じられないくらいの「善人」となってしまい、ホームレスを家に泊めてあげる、ヒーリングをしてくれたグッドニュース(そういう名前なのだ)も家に住まわせる、子供のおもちゃも福祉団体に寄付してしまう。
あまりの善人ぶりに、逆に頭がおかしくなっていくケイティなのであったが。

「アバウト・ア・ボーイ」の原作者、というと映画を見た人にはピンとくるだろうが、皮肉と諧謔とアイロニーと、などなどが入り混じり、そこにユーモアもプラスされて、さらに語り口も「いかにも」というものがあって、クスクスとしながら読んでしまいます。

それでいて、終盤の「マヌケのブライアン」をディナーに招待する場面では、シリアスな問題も明らかにされて。普段、どれだけ自分たちが「善人」の仮面をかぶっているのかを思い知らされる気分でした。


【ソングブック】ニック・ホーンビィ(森田義信訳・新潮文庫)

そんなニック・ホーンビィの、音楽案内。というか、好きな曲が「なぜ好きか」を綴ったエッセイのようなもの。どの曲にどんな思い出があるか、というのはほんのつまみだけで、本題は「好きなんだよ、仕方ないじゃあ」ということ。元の曲を知っていたら、もっと楽しいのだろうけど。でも、知らなくてもニック節が楽しめます。好きな人は。

2017年1月18日水曜日

【書記バートルビー/漂流船】メルヴィル(牧野有通訳・光文社古典新訳文庫)

【書記バートルビー】

1800年代のアメリカ、ウォール街。弁護士事務所に雇われたバートルビーは、書類の写しの仕事を淡々とこなす。しかし、いざ確認(読み合わせ)の段階に入ると、
「わたしはそれをしない方がいいと思います」
と言って、自分の部屋に閉じこもる。さらに他の用事をいいつけても、
「しない方がいいと思います」
と言ったきり、実際何もしようとしない。そのうち、写しの仕事すらやらなくなり、ただそこに存在するだけの人間になってしまう。

なんとも奇妙な物語。「ジニ」とは正反対に、あらゆることに無関係になろうとするバートルビー。さらに奇妙なことは、雇い主である語り手はそれをどうすることも出来ず、訴えようとすると、逆に良心の呵責に襲われてしまう。それはなぜなのか、本人にも説明がつかないのである。

人間の精神の奥底を覗こうとするメルヴィルの作品、ということから考えると、私達の心の何処かにバートルビーがいるのかもしれない。などという深読みが、どこまでも出来てしまう作品。


【漂流船】は、ある港に漂着した船で起こる出来事を描いた、一種のサスペンスもの。こちらは変わった話ではないが、後日談がだらだらと続くのがメルヴィル流。

【ジニのパズル】崔実(チェ・シル)(講談社)

前回の芥川賞候補作ですね。「コンビニ人間」と評価を二分したらしいです。

在日韓国人三世のジニは、小学校を卒業すると、当然のように朝鮮学校へと進学。しかしそこにも(というか、どこにも)自分の居場所が見つけられないようなジレンマに陥ってしまう。そこでジニがとった行動とは。

書き出しの部分で、どうやらこれは叫んでも叫んでもその叫びを無視される悲しみの物語かなと予想はするのだけれど、読み進むうちにそんな単純な物語ではないことが分かってきます。
なんだか矛盾いっぱいの主人公の行動に、初めは「なんで?」と思うけれど、だんだん共感してきて、ついには応援してしまうのですね。筆の迫力に圧倒されますね。

先だって、「また、桜の国で」で、第二次大戦中のポーランドのことを読んで、いやあまだまだ知らんことだらけやなあ、遠い国のことは分かってないことが多いなあと思ったけれど、実は近くの国の、現在のこともあまり良く分かっていなかったのだなあと反省。いや、反省なんかしないけどね。でも、ついつい「見たくないものはなかったことにする」癖がついてるなあと、これは素直に反省します、はい。

これが受賞してもよかったかな。文句なしの作品。これから語り継がれていくべき作品かもしれません。頑張れ。

2017年1月17日火曜日

【いにしえの光】ジョン・バンヴィル(村松潔訳・新潮社)

60代半ばの、ほぼ引退状態にある舞台俳優が、思い出し語りに綴る、少年期の恋。15歳のひと夏、彼は友人の母親と関係を持ってしまうのだった。しかしその一家は秋とともにどこかに去っていったままだった。
時を経て、初の映画出演のオファーを受けた現在の彼は、映画の調査員に、友人の母親を探してほしいと頼むのだった。そして明らかとなる事実。

あらすじだけを書くと、なんともない「若気の至り」「少年期のロマンス」といった感じになってしまう。こういう筋書きは、何度となくお目にかかったよなあと、書きながら思ってしまう。
しかし、この作品のもう一つの面白さは、「間違った記憶」「都合のいい思い出」として語られる物語だ。
主人公の語りは、「確か夏だった。落ち葉を踏みしめて歩いた。ということは秋だったか」という具合に、その記憶は心もとない。それを本人も自覚している。
さらに物語の時系列はあちらへ飛びこちらへ飛び、同じ場面が何度か出てきて、その度に違った情景になっていたりする。
また、本人にとって都合の悪いことは、わざと語られないようだ。娘は精神が不安定だったらしい。パリに留学していたらしいが、なぜかイタリアで自殺をしたようだ。理由は最後までわからない。その影響で、妻も少々心を病んでいる。というようなことは、ちょっとしたほのめかし程度に出てくるだけ。実はそれがこの主人公の心をも蝕んでいるのかもしれないのに。とも読み取れる。

ありきたりのようなロマンス話の裏に、「私たちは自分の記憶を、都合よく書き換えているのですよ」と諭されているようで、ぎくりとする。

【四人の交差点】トンミ・キンヌネン(古市真由美訳・新潮社)

フィンランド北部の町を舞台にした、四人の物語。
19世紀の終わりに、助産師として町にやってきたマリア。まだお産による母子死亡が多かった時代。そして「助産師」に対する偏見。さらには助成に対する偏見。その上マリアは、未婚の母となる。
ひとり娘のラハヤは、写真技師となる。母と同様、未婚のまま第1子を出産。周囲の好奇と批判の目をはねつけつつ生きていく。その前に現れた、偏見とは無縁のような男オンニと結ばれ、やがて出産。しかし生まれた子ハンナは、生まれつき目が不自由であった。
その後生まれたヨハンネスは、カーリナという娘と結婚し、一人暮らしとなったラハヤと同居する。頑固な(特に「家」に関して)ラハヤと衝突を繰り返すカーリナ。しかし、ラハヤとのどこか通じるものがある。

と、ここまでで「マリア」「ラハヤ」「カーリナ」を中心とした物語が語られた後、最後の1章が「オンニ」の物語となる。ここで、それぞれの人生の時系列が再び組み直され、隠されていた秘密が明らかとなる。

フィンランドというと、雪とムーミンぐらいしか思い浮かばないが、実は複雑な歴史を持っているのだ(第2次大戦で、はじめはドイツとともに戦うが、ソ連に占領されてからは、同じ軍隊がこんどはドイツを相手に戦うことになる)。さらに(半分ネタバレになるけれど)、ごく最近まで、同性愛は刑事罰の対象となっていたらしい。

様々な偏見と戦う、あるいは逃げる、どんな選択もその人の選択なのだろう。しかし、今の目で見ると、実に悲しいことである。

2017年1月14日土曜日

【終わりの感覚】ジュリアン・バーンズ(土屋政雄訳・新潮社)

2011年度ブッカー賞受賞作。

【終わりの感覚】ジュリアン・バーンズ(土屋政雄訳・新潮社)

引退生活を送っているトニーの元に届いたのは、記憶の彼方にある未亡人からの遺言と遺産。彼女は、学生時代の恋人ベロニカの母親だった。さらに彼に送るとされたのは、高校時代の友人エイドリアンの日記だった。ベロニカはトニーと別れたあと、エイドリアンの恋人となっていた。その日記が、なぜベロニカの母親から送られることになったのか。トニーは日記を持っているベロニカに会いに行くが。

淡々と物語が進む、とみせかけて、いろんな仕掛けが実はあり(何も書けませんな、そうなると)、ラストはちょっと衝撃的。
謎解きの要素もたっぷり。
そして、人間の記憶とは曖昧なもので、自分にとって好ましいものしか覚えていないのだ、すなわち、都合の悪いことは簡単に忘れてしまうものなのだ(それがたとえ相手をどんなに傷つけるものであったとしても)ということを思い知らされる。

土屋政雄の翻訳は、ここでも冴え渡ってます。と思います。原文読んでないからわからんけど。日本語としてとてもすすすっと入ってくる。うまいなあ。

【こうしてお前は彼女にフラれる】ジュノ・ディアス(都甲幸治・久保尚美訳・新潮社)

新潮クレスト・ブックスのシリーズは、まずハズレがない。まあ「ハズレた」と思っても、自分の感性とは合わないのだねえ、とうそぶいていられる。

【こうしてお前は彼女にフラれる】ジュノ・ディアス(都甲幸治・久保尚美訳・新潮社)

ニュージャージーに住むドミニカ男、ユニオールが語る、いろんな女たちとの物語(ときどき話者が変わるのですが)。

アメリカに住むドミニカンの生活。プエルトリカンとは違うのですよ。そして独自の文化を持って、などという悠長なこともないのです。
ぶばばばっと溢れ出す言葉の数々(ほとんどの会話体に「」がつかない)に酔いしれるのもよし。
異文化、ということに思いをはせるもよし。

しかし、それよりもぶっ飛んだところに、ユニオールは存在する。とても追いつけない。


【また、桜の国で】須賀しのぶ(祥伝社)

表題だけみると、なんだか国粋的な話なのかなと思ってしまいましたが。
主なる舞台は、ナチスドイツが台頭してきた時代のポーランド。
外交書記生として赴任してきた棚倉慎が、ポーランドのために力を尽くすさまを描いた感動作です。

ロシア人の父を持つ慎は、子供の頃、ポーランド人の孤児施設から抜け出した子供を匿ったことから、ポーランドへの執着が始まった。そして長じてのポーランド赴任。しかしその国は、ナチス・ドイツの標的となっているのだった。

ホロコースト、ゲットー。ワルシャワ蜂起。
様々な悲劇が起こる。その中で自身のアイデンティティを確かめようとする慎。
そして昔匿った子供のその後。

感動的な話。ではあるんですけど。ちょっと日本人びいきかな。というか、外交官を美化し過ぎかな。まあ、それも小説としてはありでしょうけど。
そして、ショパンが象徴的に語られるんだけど、それもちょっとどうかなあ。

とはいえ、久しぶりにずっしりと重たいものを読んだ気分になりました。
たまにはいいもんです。分厚いものを読むのも。

【室町無頼】垣根涼介(新潮社)

まあぼちぼちと読書復活。

今年の直木賞候補作を順番に読んでみようと思ったのだった。
ただ、芥川賞候補作と違って、どの作品も「分厚い」単行本なのである。
さらに、すでに人気の高い作品ともなっている。
ということは、図書館で借りようと思っても、順番待ちが何十人も居たりするのである。

というわけで、受賞作が決まるまでに全部は読めないことでしょう。それでも候補作を楽しむというのはよろしいわけで。

【室町無頼】垣根涼介(新潮社)

応仁の乱が勃発する前触れとも言うべき時代。何年も飢饉が続き、しかし幕府はまともな手立てを打つことも出来ず。京都の町は荒れ果てていこうとしている、そんな時代。
町の警護を司る骨皮道賢(実在の人物らしい)は、元無頼の徒。そのような輩に頼るしかないほど町は荒れていたのだ。そしてもう一人、こちらは飄々として町を自在にうろつきまわる(ただし剣の腕前は超弩級)蓮田兵衛(こちらも実在した?)。この二人の間で、棒術の無敵の使い手となる「吹き流しの才蔵」。いや、この才蔵が主人公なんですけどね。
道賢と兵衛の二人の目的は、今の腐った幕府に変わる新たな社会秩序を作ること。
そのために才蔵を育て、そして今日の街で動乱を起こすクライマックスへ。

エンターテイメント性抜群の本ですわ。もう、一気に読ませてしまいますね。
才蔵の棒術の修行も読み応えあり。さらに美貌の芳王子という遊女まで出てきてね。道賢も兵衛も才蔵も骨抜きにされるという場面もあったりして。

歴史には疎いんだけど(特に日本史は)、この前に「応仁の乱」(呉座勇一著・中公新書)を読んでいたので、ある程度はついていけましたね。
まあ、いろんなご都合主義的なところはあるんですけど、それは置いといて、楽しく読んですっきりする小説でしょうね。

ただ惜しむらくは。
道賢、兵衛が最も忌み嫌っていた、当時の社会制度の上に立つひとびとのことが殆ど出てこないことかな。まあ、それは庶民には目にすることも出来ない、ということで納めるしかないのかも。

2017年1月4日水曜日

芥川賞候補作

次回の芥川賞の候補作品を読んでみました。
自分なりの感想です。(読んだ順に紹介)

【ビニール傘】岸政彦(新潮2016年9月号)

いきなりの大阪弁。舞台は大阪。それも西九条とか新地とかですか。
飯場で働く男と、就職で都会に出てきたけれど、初め美容師→新地のガールズバーになってしまい、引きこもりになってしまう女。で、女は故郷和歌山の村へと帰る。
話し手がコロコロ変わって最初は戸惑ったけど、だんだんその面白さに入っていけますね。
でも、後半がなあ。どっかで聞いたような話に落ち着いてしまってるような。という残念さ。

【しんせかい】山下澄人(新潮2016年7月号)

自給自足をしながら脚本と演技を学ぶ、というのに応募したら合格。集団生活の二期生となった主人公。その生活。
期せずして、再び大阪弁。しかし舞台は(おそらく)北海道。馬も出てくるしね。
で、文体というか(括弧書き省略みたいな)は、目新しいんだけど、物語としてはどうなんでしょう。

【カブールの園】宮内悠介(文學界2016年10月号)

日系三世のレイは、IT関係の仕事をしているらしい。幼い頃から太っているのを気にしている、らしい。それでいじめにもあっていた。と自分では思っていたが、どうやらそれは「人種問題」であったらしい、ということに今更気づく。では自分の根っこはどこにある? ということで元収容所にやってくる。
なんて、なんかありがちなんですけど。自覚なく、というところが新しいのかな。

【キャピタル】加藤秀行(文學界2016年12月号)

大阪、北海道、アメリカ、と来て、次はタイです。コンサルティングファームで7年勤め上げたおかげで得られた1年の休暇。バンコクのアパートで安穏とした日々を過ごす須賀に、元先輩から頼まれごと。先輩が採用した有望な女子コンサルティングが、事故を起こした上に入社を断った。その理由を調べてほしい。暇をかこっていた須賀はその才媛アリサに会いに行く。
謎解きの面白さもあって、これはなかなか、と思いましたが。謎は謎のままで置いておいた方がよろしい場合もあるのですなあ。現代の企業小説と読めなくもないけれど、それだったらこの分量は短かすぎ。

【縫わんばならん】古川真人(新潮2016年11月号)

日本に戻ってきました。九州ですね。方言だらけ。敬子婆さん(あえて婆さん)の独白っぽいところからはじまって、次の章ではその妹の多津子ばあさんの話。そして最終章では二人のお母さんのお葬式。それぞれの場面で、いろんなひとの想念が入り混じり、時空を超えて話が進み、気がつけば元の場所。最後の葬式の場面は「ダロウェイ夫人」ぽい、と思うのはどうやら私だけのようです。
でもおもしろい。
これ、受賞するかな。。。。(予想)


東大阪市の図書館は、今年から年末年始も休まず開館。すなわち大晦日も元日も開館していました。何という行き届いたサービス。(元日から図書館行きました)
でもね、正月三が日ぐらいは休んでもかまわないと思いますよ。
人もいなかったし。

それよりも嬉しいのは、上記5冊の文芸誌を貸し出してくれたこと。
図書館によっては、雑誌の貸出は原則していません、というところが多いのですね。
大阪市もそう。大阪府もそう。
でも、雑誌だって、家でゆっくり時間をかけて読みたいもの。とくにこういう文芸誌はね。
その点は、ありがたいです。ありがたいありがたい。
今年もよろしくお願いします。

2017年1月2日月曜日

謹賀新年

もしかして、ひょっとして、万が一、このブログを読んでくださっているみなさま
(と、見ているということはそういうことなんだけど)

あけましておめでとうございます。

しばらくぶりの投稿です。
投稿が滞っていたのは、健康上とか、社会通念上の故障とかではなく、

「めんどくさかったから」

ということだけで。。。。

昨年9月頃、Seriaという100均ショップで「368ノート」というのを売っている、というのをウェブで見かけ、
これがどうやら”ほぼ”「ほぼ日手帳」らしい、という触れ込みだったので、
試しに買ってみたのですね。

そしたら。
気に入ってしまいました。
久しぶりに、毎日手書きで何かを書く、ということを思い出し、
その煽りで、こちらの書き込みがおろそかになりました。

前の書き込みが10月。
すっかりペナントレースも終わり、フィギュアスケートも、年内の熱戦は全て終わり。
ああ、涙涙の日々がいろいろありましたが。
それもこれも去年のこと。

今年も折りに触れ、何かを書き続けられればと思いつつ。
とりあえずは、新年のご挨拶でした。

↓↓今年の年賀状↓↓


本年もよろしくお願いします。