2017年4月12日水曜日

【その女アレックス】ピエール・ルメートル(橘明美訳・文春文庫)

フランス・パリ。准看護師のアレックスは、見ず知らずの男に誘拐・監禁される。廃墟となった建物の地下室で、檻に閉じ込められ、ネズミの餌食にされようとしている。パリ警視庁のカミーユ警部は必死の捜査で行方を追い求めるが、追い詰められた誘拐犯は、換金場所を教えないままに、自ら命を断ってしまう。瀕死のアレックスは自力で脱出を図るが。。。。。。

というところまでは、なんとかあらすじを話せるけれど、ここからあとはとてもとても。展開が意外すぎて、どうにも言いようがない。
誘拐事件 → 監禁 まではついていけるけれど、その後の連続殺人 → 復讐劇(!)となっていくところは、なんとも。。ああこれ以上は言えないか。

犯人を追い詰めていこうとするカミーユを始めとする警視庁の面々のキャラクターもとてもいいし、その心情がどんどん動いていくのに共感していく自分もいて、最後は快哉を叫んでしまいそうになる。なんてこと。

さすがは「このミステリーがすごい!」1位の作品。
ちなみに、この前の作品として「悲しみのイレーヌ」があって、これがカミーユ警部シリーズの1作目。日本では2作目となる「その女アレックス」が先に翻訳されてしまって、ちょっとややこしいことになっている。今から読むのなら、ぜひとも「悲しみのイレーヌ」から読んだほうがもちろんよい。今作の細々とした描写の意味が全てよく分かる。

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