2017年1月14日土曜日

【また、桜の国で】須賀しのぶ(祥伝社)

表題だけみると、なんだか国粋的な話なのかなと思ってしまいましたが。
主なる舞台は、ナチスドイツが台頭してきた時代のポーランド。
外交書記生として赴任してきた棚倉慎が、ポーランドのために力を尽くすさまを描いた感動作です。

ロシア人の父を持つ慎は、子供の頃、ポーランド人の孤児施設から抜け出した子供を匿ったことから、ポーランドへの執着が始まった。そして長じてのポーランド赴任。しかしその国は、ナチス・ドイツの標的となっているのだった。

ホロコースト、ゲットー。ワルシャワ蜂起。
様々な悲劇が起こる。その中で自身のアイデンティティを確かめようとする慎。
そして昔匿った子供のその後。

感動的な話。ではあるんですけど。ちょっと日本人びいきかな。というか、外交官を美化し過ぎかな。まあ、それも小説としてはありでしょうけど。
そして、ショパンが象徴的に語られるんだけど、それもちょっとどうかなあ。

とはいえ、久しぶりにずっしりと重たいものを読んだ気分になりました。
たまにはいいもんです。分厚いものを読むのも。

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