2015年12月16日水曜日

【豚の報い】又吉栄喜(文藝春秋)

今年もいよいよ押し迫ってきました。毎年同じことを思うのだけれど、今年もいろいろやり残したまま年を越すのだろうなあという気がしています。それにしても、いろんなことがありすぎた一年でした。まだ残ってるけど。

同じ又吉性で、しかしこちらは随分前の芥川賞受賞作家。その受賞作品「豚の報い」
スナックで開店準備をしていたら、豚が飛び込んできた。ホステスのお姉ちゃんにまたがってしまって、ケガなどはしなかったものの「魂が落ちた」(すみません、もっといい感じの表現だったはず)と思ってしまう。バーテン(だったかなあ)の僕は、だったら厄払い(とは沖縄では言わないのだ。なんだったかなあ)に「御嶽(うたき)」に行きましょう。と提案し、店中の人たちで(つまり店を休んで)御嶽参りに行くことに。その道中、そして御嶽のある島(そこは僕の父親のお骨が、野ざらしになっているはずなのだ)で起こる様々な出来事。それをユーモアも交えて、暖かく時に厳しく描いていて、とてもおもしろいです。

これ、もっと話題にならなかったのかなあ。今読んでも、というか、今年の初めに沖縄に行ったからかもしれないけれど、ものすごく沖縄らしさがでている秀逸な作品だと思います。

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