2014年2月19日水曜日

【聖なる怠け者の冒険)森見登美彦(朝日新聞出版)

オリンピックにかまけてしまって、というか、時間の使い方がどうしてもオリンピック中心になってしまっているのである。TVをつけるといつもオリンピックオリンピックなのだから仕方がないといえば仕方がないのだが。
それにしても、ニュースの中心がオリンピックで、それに時間を使うものだから、雪のニュースとかバリ島の遭難のニュースだとかが後回しになっているような気がする。まあどのニュースに重きをおくかというのは好き好きなのだろうけれど。今も雪の中で孤立している人がいるかもしれない。そんなことをちょっと考えてしまうのである。

森見登美彦は面白い。舞台はいつも(ほぼ)京都。そしてこの京都という街の持つ不思議な感覚をどこまでも作品の中に取り込んでいる。自らは「妄想作家」と呼んでいるそうだが、妄想がここまで来ると気持ちがいい。ハマってしまうと抜けられない。はい、はまっています、わたくし。
今回の話は京都の街に出没する「ぽんぽこ仮面」、怠けることにかけては人に負けない小和田くん。道に迷うことが得意な(?)週末アルバイト探偵の玉川さん。何をしているかよくわからない五代目。そんな人達が祇園祭の宵山を巡って交錯する世界。
もう何がなんだかよくわかりません。SFと言われればSF。ファンタジーと言われればファンタジー。ユーモア小説と言われればユーモア小説。ともかく「意外な展開」と一言で済ますのはもったいないくらいの幻想妄想のてんこ盛りです。
朝日新聞に連載していたものを、一から書き直したという根性にも脱帽です。もうこの作家から目が離せませんな。

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