2014年11月22日土曜日

【オリバー!】1968年・イギリス映画

リパッティの弾くショパンを聴きながら書いています。
音楽を愛する人は多いけれど(自分もその一人だと思っています)、音楽に愛される人というのはそんなにいないような気がします。
リパッティは、音楽に愛された、というよりもピアノに愛されていたような気がします。古い録音しか残っていないのに、ピアノの音がほんとうにきれいに澄んでいるように聞こえますね。

「オリバー!」を見ました。ディケンズ原作のミュージカル映画。
何年か前に、ポランスキーが監督した「オリバー・ツイスト」を見ましたが、そちらは原作に忠実なようで、とても人間臭く、暗い人間模様が息苦しいくらいでした。

ミュージカルになると一味も二味も違っていて、なにしろ貧しい人たちの活き活きとしていることが救いです。そのほとんどが泥棒だったりするのですが。

そしてミュージカル映画といえば、歌と踊りですね。
特にこの作品では、大勢の人たちが次々に踊りの輪に加わっていく群舞がすばらしい。
一つの通りを、ひとつの広場全体を舞台として踊り広がっていくさまは圧巻です。これぞ映画。

そして根っからの悪人は悲壮な最期を遂げ、根は優しい悪人は優しい悪人のままで、善人は恵まれるというハッピーエンド。マーク・レスターのあどけなさ。ジャック・ワイルドのかっこよさ。フェイギン役のロン・ムーディーは、特に絶品でした。

世の中、悪いことばかりじゃない、と信じたくなるような。そうもいかないみたいなんですけど。現実は。やれやれ。

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