2014年11月3日月曜日

9月・10月の読書

9月の読書感想文を書いていないなあと思っているうちに、10月も飛び去ってしまい、もはや11月も2日(日付が変わったのですでに3日ですね)です。いやはや。

もう、何かをやり遂げようとか、そういう欲もなくなってきました。
ちょっと言い訳をするなら、あんなにタイガースが、最後の方まで頑張るとは思いませんでした。
切れかけたエンジンを何度かふかしなおすような気分で、かえって疲れました。
でもいつもより長く楽しませてくれたので、これはこれでよしとしましょう。後はまた来年、ということで。

というわけで、9月の半ばから10月いっぱいにかけて読んだ本の一覧です。


【炎上する君】西加奈子(角川書店)

行ってきましたよ、西加奈子さんの講演会。いやあ楽しかったなあ。ますますファンになりました。新刊も発売なったから、買いに行こうかな。


【超高速!参勤交代】土橋章宏(講談社)

突如幕府から言い渡された参勤交代命令。しかも日数がほとんどない。お金もない、人材もない藩主がどうやって幕府の横暴に立ち向かうか、という痛快なお話です。映画化もされましたか。確かに映画的。


【絶対!うまくなる 合唱100のコツ】田中信昭(ヤマハミュージックメディア)

絶対うまくなりそうなので、手元に1冊置いておきたくて、ついつい買ってしまいました。


【トップスケーターの流儀】中野友加里(双葉社)

これからソチオリンピックのシーズンに入るスケーターに元スケーターで現テレビ局職員となった中野友加里がインタビューしています。もともと友人だった人たちに聞いているので、肩肘張らず、時折本音も垣間見えて楽しいですね。


【スーラ】トニ・モリスン(大社淑子訳・早川書房)

貧しい地区に生まれ育った子どもたち。秘密を共有することになった二人の行く末。サスペンスタッチですな。


【ガープの世界】ジョン・アーヴィング(筒井正明訳・サンリオ出版)

アーヴィングの出世作ですね。いつも長編を書くんだけれど、どこか短編の寄せ集めのようなところもありますね。一つ一つのエピソードは面白いんだけど。まあ好き好きかなあ。あと、アメリカに詳しくないと面白さは半減するかな。


【結婚は人生の墓場か?】姫野カオルコ(集英社文庫)
【リアル・シンデレラ】姫野カオルコ(光文社文庫)
【ツ、イ、ラ、ク】姫野カオルコ(角川文庫)

色んな顔を見せてくれる姫野カオルコ。ある意味で「恐怖小説」ともいえる「結婚は人生の墓場か?」。希望を垣間見せる「リアル・シンデレラ」。リアルでかつファンタジーに溢れる(と思うのはわたくしだけ?)「ツ、イ、ラ、ク」。どれも圧倒的なパワーを感じます。ジャンル分けのできない作家ですね。でも間違いなく、どれも姫野カオルコであるところがすごいです。


【銀二貫】高田郁(幻冬舎文庫)

時代小説なんだけど、大阪が舞台で、しかも商人が主人公というところがいいですね。つまりサムライの論理が通用しない。そこが痛快です。わたくしにとっては。そして感動的です。


【男と点と線】山崎ナオコーラ(新潮文庫)

なんか普通っぽいようにみえて、「え?」と思わせる。そんな話だったような(すみません、憶えていません)


【プラネタリウム】梨屋アリエ(講談社文庫)
【ピアニッシシモ】梨屋アリエ(講談社青い鳥文庫)
【スリースターズ】梨屋アリエ(講談社文庫)

いろんな人の思いが交差する連作「プラネタリウム」が面白かったので、続けて同じ作家のものを読んでみたんですけど、「ピアニッシシモ」はいろんなものを短い中に詰め込みすぎたみたいで、「スリースターズ」は、途中は面白かったけれど、だんだんライトノベル調になったところでパワーダウン。でも、長い話でも最後まで読ませる力量を感じます。無理して短い話にしないで、長いものを書いてくれたらなあ。


【創作の極意と掟】筒井康隆(講談社)

ちょっとふざけて「創作」について書いているのかと思わせておいて、実はシリアスなことをしっかりと書いている、というこの作家独特の言い回し。堪能します。


【りすん】諏訪哲史(講談社文庫)

芥川賞受賞の「アサッテの人」に続く作品。全編会話。意気込みは認めるけれど。ちょっと空回り気味。余分なことが多すぎたかな。でも書いておかないとわからないこともあるから、難しいですね。で、そんな作家の苦労はよくわからず、読み手は、面白いか面白くないかで判断してしまうのです。


【獣の奏者-外伝・刹那-】上橋菜穂子(講談社文庫)

本編「獣の奏者」に出てくるエリンの出産話など。ファンタジーなんだけどリアル、というところがこの作家の特徴なのでしょうが。こんな話、読みたいかなあ、というのが正直なところ。ドラマはあるけれど、伝えたいものは何だったんだろう。


【わたしがいなかった街で】柴崎友香(新潮社)

芥川賞受賞おめでとうございます。この作品ではないですね。過去に起こった出来事が現在につながっている。過去に、その場所に、わたしはいなかったんだけれど。いたら、どうなっていただろう。なんていうことをぐるぐるぐるぐると考えるような。私小説でもなくSFでもなく。不思議な感覚です。


野球のシーズンも終わり、フィギュアスケートの応援にシフトしています。
毎年、今年は200冊ぐらい読もう! と目標を立てるのですが、毎年果たせずに終わっています。
今年もそうなりそうな気配。
まあ、たくさん読めばいいというものではないですけどね。
でも、どんな本でも、読んでみなければ、面白いかどうかはわからない。
たとえ多くの人が絶賛したとしても、自分の心に響くかどうかはわからない。
だから読むしかないのですね。
楽しむためには、ある程度の忍耐と苦労も必要ということですか。
今年もあと2ヶ月。
年末に向かって忙しさは増すばかりですが、乱読はやめられません。

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