2016年2月8日月曜日

【ウォーク・イン・クローゼット】綿矢りさ(講談社)

久々に綿矢りさ。
「いなか、の、すとーかー」と表題作。
表題作は、いままでの綿矢りさ風というか、女友達、男友だちとの関係を描くもの。で、女友達は自分よりも華やかな世界(タレント業)で生きている。幼なじみんなんだけど、昔からそうだった。つまりはコンプレックスとどう向き合うか、みたいな話か。

で、「いなか、の、すとーかー」は、新進陶芸家の青年が、中年(?)女性に付きまとわれて、東京から生まれ故郷に帰ってくる。しかし、そこにもその女は着いてきて。幼なじみの女友達、男友だち(まただ)に相談するのだが。
展開から言うと、どうやってストーカーから逃げるのか。あるいは逃げきれないのか。などとハラハラする場面もあるんだけど。それだと普通の小説。さすがに綿矢りさは、そんな「普通」の終わり方は用意していないのだった。ほんま、さすが。

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