ついに読みましたよっ!
「サラバ!」
ちゃんと「!」もつけないとね。
西加奈子のデビュー10周年記念超大作。なんて大げさに言わなくてもいいと思うけれど、読み終わったら大げさに言いたくなるくらい、ほんまに、今までにないくらいの骨太な作品になってました。
「僕はこの世界に、左足から登場した」
の一文から始まる、主人公「歩」の自叙伝。
いままでのこの作者の作品にはなかったような、具体的な出来事(イラン革命、エジプトのテロ、阪神大震災、地下鉄サリン事件など)を取り入れつつ、しかし作品はさらに普遍的な思想を模索しています。もちろん「歩」くんが模索するんだけど。
そして、相変わらずの登場人物のキャラクターの見事さ。トラブルメーカーのような姉。奔放ともいえる母とその姉妹。仏のような父。そしてそして、街の顔役「矢田のおばちゃん」の強烈さよ。
みんなが「歩」くんを困らせていくように見えて、実は一番情けないのが本人やったりして。
さらにさらに。そんな「歩」くんを励ますような人たち(須玖くん、ヤコブくん)。
内容は・・・読んで下さい。上下巻、それぞれ350ページ超の大作やけど、読み出したら止まらなくなるかも。
読み終わって、もう2日になるのですが、「あなたはいつまで、そうなの?」という声が、日に日に強く聞こえてくるような気がするのです。恐ろしい小説です。
今の世の中、どこへ向かっているのかよくわからない状態です。今自分が生きている意味は何なのだろうと考えずにいられません。
だから読みたい。こんな本を。
贔屓目やけど、直木賞とれへんかなあ。
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