北杜夫氏は躁うつ病であった。
北氏が躁うつ病を発症した時、世間ではあまり認知されていなかった。しかし精神医でもあった北氏は、自らの病気を公にし、そしてこの病気は社会に理解されるようになった。
ということがありつつ。
この本は娘との対談集。おそらくは一気に書き留めた(あるいは録音)なのだろう。なんともリラックスした状態で、親子の会話は進む。
躁状態のときは「株に手を出して大変だったけど、賑やかで好きだった」と語る娘。
うつ状態のときは「とにかく何もする気力がない。でも放っておけばいつかよくなる」と泰然としている父。
今や日本全国躁うつ状態。わたくしもその気あり。毛なし。
「まあ、そんなに悪い病気でもないよ」と言ってくれているようで、何かほっとする。まあ病気とはなべてそのようなもの。罹るときには罹る。罹っても焦らないこと。
まさに「楽しい躁うつ病」である。
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