2016年3月1日火曜日

【パパは楽しい躁うつ病】北杜夫・斉藤由香(朝日新聞出版)

北杜夫氏は躁うつ病であった。
北氏が躁うつ病を発症した時、世間ではあまり認知されていなかった。しかし精神医でもあった北氏は、自らの病気を公にし、そしてこの病気は社会に理解されるようになった。

ということがありつつ。
この本は娘との対談集。おそらくは一気に書き留めた(あるいは録音)なのだろう。なんともリラックスした状態で、親子の会話は進む。
躁状態のときは「株に手を出して大変だったけど、賑やかで好きだった」と語る娘。
うつ状態のときは「とにかく何もする気力がない。でも放っておけばいつかよくなる」と泰然としている父。

今や日本全国躁うつ状態。わたくしもその気あり。毛なし。
「まあ、そんなに悪い病気でもないよ」と言ってくれているようで、何かほっとする。まあ病気とはなべてそのようなもの。罹るときには罹る。罹っても焦らないこと。
まさに「楽しい躁うつ病」である。

0 件のコメント:

コメントを投稿