2016年7月25日月曜日

【ヒッチコック】(2012年・アメリカ)

野球のない月曜日。撮りためたビデオを消化できる日。
2012年のアメリカ映画「ヒッチコック」を観た。
サスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコックが「サイコ」を作った時の舞台裏を描く作品。

「北北西に進路を取れ」のヒットで、次回作を模索するヒッチコック。彼が選んだのは、実際に起こった連続殺人事件を題材にした「サイコ」。しかし映画会社(パラマウント)はその内容から映画化に難色を示す。自己資金で映画作成に踏み切るヒッチコック。しかしその時、妻のアルマは自分の映画に(そして主演女優に)のめり込んでいく夫に少なからず嫌気が差し始め、友人の脚本家と怪しい関係になりつつあった。それを知ったヒッチコックは嫉妬に狂いつつ、映画を撮り続ける。ついに二人は衝突! アルマはこれまでの人生は夫に振り回され続けだったと訴える。しかしそのうえで「サイコ」の完成に向けて、協力し始めるのだった。

ヒッチコックを演ずるのはアンソニー・ホプキンス。その妻アルマにヘレン・ミレンという、2大オスカー俳優を配した豪華版。さらに「サイコ」の主演女優(ジャネット・リー)役にスカーレット・ヨハンソン。きれいですねえ。そして演技も冴えています。
アルマ役のヘレン・ミレンも、いつもどおりに「内に秘めた炎を燃えたぎらせる女」役がぴったり。
唯一、残念なのがアンソニー・ホプキンス。どうもこれはミスキャストとしか思えない。
シャワーのシーンで、ナイフの振り回し方が気に入らないと逆上し、「憎しみを込めて!」と言いつつ自らナイフを取ってジャネット・リーに襲いかかる、つまりは「演技指導」するうちに、プロデューサー、妻、妻の友人、その他の「幻影」に向かってナイフを振り回す、というシーンでは、どうにもハンニバル・レクターの雰囲気が思い出されてしまう。
つまりは、イメージがつきすぎているということなのかなと思う。が、その他のシーンでも、なんとなく「取ってつけたようなヒッチコック」が鼻につく。
最初の「ヒッチコック劇場(TV版)」をパロディ化したような入り方も、「アンソニー・ホプキンスが演じるヒッチコック」を助長してしまったような気がする。

題材も筋の運びもおもしろかったのに。監督の力量があともう少し。

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