2014年1月20日月曜日

【千年ジュリエット】初野晴(角川文庫)

「ハルチカ」シリーズ第4弾。前回は地区大会コンクールでの出来事でしたが、今回は夏が終わり、文化祭が始まります。今年の文化祭は特別です。何しろ麻疹の流行で多孔の文化祭はことごとく中止。舞台の清水南高校だけがなんとか延期して開催にこぎつけます。そしてそこでまたもやいろんなミステリーが。それを解決するのはいつもながらの頭脳明晰なハルタと直感で行動するチカのコンビ。
回を重ねるごとにいろんな人のキャラクターが生きてきていますね。その分ミステリーとしての(特に謎解きとしての)面白みがちょっと減ってきているかなという危惧はあります。
しかし、何といってもハツラツとした(そしてちょっと陰もある)高校生のドラマとしては良く出来ていて、ちょっと漫画チックな展開もまあまあ許せるかな、とずっと読んできた読者としては思ってしまうわけですね。これは作者の思う壺なのでしょうが。
今回は、将来有望と思われた元ピアニストがなぜかピアニカ奏者になった話(エデンの谷)、文化祭に間に合うために乗ったタクシーをなぜか暴走させてしまうロッカー生徒(失踪ハードロッカー)、先祖が絶対不利な状況で決闘に望んで、しかし勝ち残った謎を解き明かそうと舞台で再現しようとする演劇部員(決闘戯曲)、ケア病棟で密かにネット人生相談を始める5人の患者たち(千年ジュリエット)。の4編。
ハチャメチャな学園ドラマかと思いきや、思わぬ仕掛けやどんでん返しが最後に待ち受ける。これはもうパターンなんですけど、ハマってしまうと次を期待してしまいますね。さて、文化祭が終わって(彼らはまだ2年)、これからどうなるのやら。

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