2015年7月19日日曜日

【桐畑家の縁談】中島京子(集英社文庫)

昨日の夜は珍しく、一晩中雨が降り続けました。それも大量に。お陰で滅多に止まらないJR環状線が半日以上も運休するという事態にまでなりました。

東大阪市にも避難準備情報が出たりしていたので、台風が通りすぎたあとも、長い時間緊迫した状態だったわけですね。
今日の夕方になって、ようやく交通状態も通常に戻りつつある(やっと)ということらしいです。

最近の気象状況というか、地震や火山の噴火も含めて、なんだか地球というものが今までと違う動き方というか、人類にあまり知られていないような動きをしているのではないかと、ちょっと超常的に考えてしまいますね。もちろん、地球温暖化とか、そういう科学的な根拠もあるのかもしれませんが。

そういう状況と、全く違う話です(^◎^;)

中島京子の魅力は、「常識とはちょっと離れているけれど、結構いそうな人」の「ちょっと嫌なところ」と「ちょっといいところ」を、常識にとらわれない視線で描くところかもしれません。
ちょっとかっこよく書こうとしすぎましたね(^◎^;)

つまりは、読んでいて「そうくるかぁ!」という話の展開と、「おる、おる、こういう嫌なやつ」というキャラクター。リアリズムと「非常識」の間の面白さ、でしょうか。

「桐畑家の縁談」では、保守的・旧日本的な父・母と、とてもおとなしくて人と接するのも苦手そうな妹・佳子を、姉・露子の視点で描くというもの。
露子は妹の家に居候しているが、その妹・佳子が突然「結婚する」と言ってきた。相手は台湾から来た青年。勤めている日本語学校で知り合った(らしい)。
オクテと思われていた妹の突然の結婚に翻弄される露子と両親。という物語。

周囲を慮って生きてきて、妹を心配しながらも、実は自分のことが一番心配、らしいのですね、この主人公。自分はなかなか結婚に踏み切れない。いや「踏み切らない」とも思っているのですが、妹の結婚宣言に戸惑ってもいるのですね。この心情の面白さ。

ちょっと典型的な(旧と新の)対立構造というか、対照の面白さに走ったところはあるでしょうが、いろいろ納得させられたり、考えさせられたりしました。それに何より、読んでて面白い。これが一番大事なところですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿