2016年4月3日日曜日

宇野昌磨を応援するのだっ(世界フィギュア2016・男子フリー)

フィギュアスケートの男子の戦いは、まあ羽生結弦の一人舞台で、あとはフェルナンデスかパトリック・チャンがどこまで迫れるか、ボーヤン・ジンもひょっとしたら、てな程度で見ていたのである。

結果。驚いた。羽生結弦が今まで見せたことのないようなミス。対するフェルナンデスがほぼ完璧な演技で逆転首位。
ああ、その前に、ハン・ヤン、ナム・ニューエンがフリーに進めなかった、というのもびっくりだった。ショートプログラムって、ちょっとしたミスで点数ががたんと減ってしまうのだね。コンポーネンツが少ない分、失敗すると失点の割合が大きくなる。
で、ショートプログラムで1位になった羽生結弦は、とても有利な立場でフリーに臨んだわけなんだけど、思いの外よろしくない出来でしたね。羽生とて人の子であった、というわけ。
チャンも、四大陸選手権ではこれ以上ない完璧なフリーを滑っていたけれど、今日はプレッシャーもあったのか、良くない出来でした。これからどうするのか、がちょっと気になります。
意外と言っては失礼になるけど、ホンマに以外だったのはロシアのミハエル・コリエダ。いやあ、こんな人がいたのだねえ。ジュニアで実績を残して、これからシニアで、という時に骨折。それから約2年。ようやくの世界選手権出場、だそうです。なにしろ「踊れる」。それもロシアの選手らしく、クラシックぽく踊れる、というのが強みですね。五輪代表の最有力候補になりましたね。

で、本題。
今日一番印象に残ったスケーターは、なんといっても宇野昌磨。
ジュニアの時からケレン味のある演技で、見ている方を惹きつけるスケートができる選手でした。天性のものがあるんでしょうね。
シニアになって、技術が追いつくようになって、表現力に力強さ、安定感が出てきましたね。
フリーのトゥーランドットは、曲が進むに連れて、滑りのスケールも大きくなり、引きこまれてしまいました。見ているうちに、心から応援してしまうのですね。
今大会は、演技の構成を変更して臨んだんですね。今まで作り上げてきた、練習してきた構成を、この最後の仕上げの時に変更してくるという根性というか、やる気というか、冒険心というか、そういうものがすごいなあ、たまらんなあと思うわけです。
で、肝心のジャンプでミスが出てしまって、演技が終わったあと、いつもなら勝負師の顔から、柔和な表情に戻るのだけれど、今日は硬い硬い表情のまま、最後の挨拶をしていました。ああ、よっぽど悔しかったのだろうなあ、とその時はその程度に思っていたのですが。
キス&クライの映像が映し出されてびっくり。カッと見開いた両の目から、涙が溢れ出ていて、それを拭おうともしていませんでした。アニメか映画の一場面のようでした。
思わずもらい泣きしてしまいましたよ(;◎;)

いやしかし。
おじさんはこの映像に、宇野昌磨の強さも見ましたよ。
普通、演技がうまくいかなくて、キス&クライで涙涙、という時は、両の手で顔面を覆ったりするものです。恥ずかしいからね。
それを、何ですかっ。彼は顔を伏せることもなく、涙が流れるままに、キッと正面を向いていましたよ。
あの表情を見る限り、これからきっと宇野昌磨はやってくれる。やってこましてくれる。来年、再来年、きっときっと、今日の悔しさを晴らすようなことを、そういうスケートを滑ってくれる、そう確信しましたよ。

これからは、宇野昌磨をイチオシに応援していきますよ。きっときっと、やってくれますよ。期待しよう。

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