2016年4月29日金曜日

【まく子】西加奈子(福音館書店)

西加奈子の新刊。
いつもの西加奈子の「みんなちがってみんないい」に、今回は哲学的な科学的な(!)広がりまで含んでしまっています。益々広がる西加奈子ワールド。

小さな温泉街の小学校に転校してきたのは、不思議美少女コズエ。同級生の慧の両親が経営する旅館に、母子で住み込み働きすることになったのだった。
そして慧に打ち明けたコズエの秘密。

何かというと「まく」ことが大好きなコズエ。城の石垣から砂をまき、校庭で水をまき、広場で落ち葉をまく。そしてコズエが最後にまいたもの。
いや、ここからは読んでください。

西加奈子の小説には、基本的に「困った人」は出てきても「悪人」が出てこないのですね。それぞれに事情があったり、自分では悪いことと思っていなかったり、あるいは世界の中でそれぞれの役割が(実は)あったり。
小学生の成長物語なんだけど、大人も読んで、成長せなあかんなあと思うのであります。

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