2016年4月4日月曜日

200点超え(世界フィギュア2016・女子フリー)

世界フィギュア・女子は熾烈な争いでしたね。ま、フィギュアスケートで「争い」というのもどうかと思うのですけど。採点競技であって、面と向かって闘うわけではないですからね。

男子はミスをする選手が多かったですが、女子は誰も彼もが完璧な演技をして、続々と200点超え。
かつては160~170点台が優勝ラインだったのが、今やすっかり様変わりしてしまいました。
でもちょっと、それはそれで気になるところではあります。
男子の場合、いまや300点が優勝ラインにはなっていますが、それは4回転ジャンプが必須となった結果。つまりは基礎点そのものが高得点になっているわけですよね。おかげで点数は天井知らずになって、難易度の高いジャンプを跳べば点数が上がる、で、300点超えができてくる。
これは簡単に納得できるんです。
ひるがえって、女子はどうかというと。
未だ4回転ジャンパーは現れず。今大会で言えば、浅田真央がトリプルアクセルに挑んだだけで、目新しいジャンプというのはありませんでした。
むしろ女子の場合は、今までのジャンプの精度を上げる、GOE(出来栄え点)をあげる、あるいは演技構成点を上げる、ということで高得点になってきているんですね。

もちろん3ルッツ+3トゥループは、難しいコンビネーションジャンプだし、得点が高くても当たり前で、うまく飛べたらGOEもたっぷりあげたくなりますでしょうけど。
でもそれだけで、前人未到と思われた200点超えが次々に出てくるとは。
ちょっと、点数、出し過ぎと違いますのん。

いやいや。そんなことを言ってはいけません。
点数の付け方はISUが考えに考えて、毎年見直しなども行いながら決めているんですから。
各選手&コーチ陣などが、それに対応して高得点が出せるプログラムを考えている、ということの結果なのですね。
それでも、ちょっと物足りないなあと思うことはありますけどね。
いつになったら、女子の4回転ジャンパーは出てくるのかと。
それはこの目で見てみたいです。

さて。
今回の女子は、最初に書いたとおりの大接戦、まれに見る好演技の連続でした。とてもとても見応えがありましたね。
その中でも感動をくれたのは、日本の3選手でした。いや、ひいき目じゃなく。

浅田真央は、トリプルアクセルだけをどこもかしこもがとり上げて、なんだかかわいそうなくらいだったけど、多少の失敗はあっても、プログラム全体の流れ、途切れないスケーティングで魅せてくれました。今季、一番気持ちの入った演技だったのではないかなあ。ただ、ここまでやり尽くしても、今の世界のレベルではトップにはなれないのですね。それでも、スケートをとおして、スケート以上のものを見せてくれるのは彼女以外には今のところ考えられないので、できるだけ長く滑り続けてほしいと思います。
本郷理華は、終始楽しく、ハツラツとしていましたね。ノリの良いボストンの観客を味方につけて、曲の盛り上がり、曲想もガッチリと掴んで、一気に滑っていったという感じです。最後のミスは痛かったけどね。
宮原知子って、ほんまにパーフェクトな選手ですね。メドベージェワが世界最高得点を出したそのすぐ後の滑走だったにも関わらず、最初の動作から自分の世界に入っていったのには驚きました。最初から最後まで、一つの芸術作品を見ているかのようでした。もっと演技構成点をつけてほしいです。
ロシアの3選手はそれぞれ高い技術をこれでもかと見せつけるような演技で、特にメドベージェワは圧倒的でしたけど、高得点を狙う「あざとさ」がちょっと垣間見えるような気がして、これは今後どうなるのだろうかというのが気になります。
ワグナーとゴールドは、確かに良い演技だったけど、演技構成点は出し過ぎじゃないのかな、とも思いますね。まあ素人が何を言うとんねんと言われそうですが。

今回の世界選手権は、次のオリンピックへの折り返し点でもあるのですね。次のシーズンはどんな演技を選手たちは見せてくれるのか。今や過去最高レベルに達していると思われるジュニア世代が、シニアとなってどんな風に今の状態に食い込んでくるのか。楽しみは尽きません。

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