2016年6月6日月曜日

5月の読書

まとめて書くとめんどくさい、ということが分かっていながら書き溜めてしまう。
1冊読み終わると、さて次の1冊、というぐあいに、間断なく読んでしまうのである。
おかげで読み終わった感想を書き逃してしまう。
そして、ざっくりとした感想しか書けないまま。申しわけありません。誰に謝る?

【且座喫茶】いしいしんじ(淡交社)
「まあ座ってお茶でも」という意味。茶の湯を教わった著者の茶の湯ばなし。なんということはないお茶の魅力とかを語っているだけかと思ったら、今は亡き師匠の話となって、ぐっと心に残ってしまうのである。

【ギンイロノウタ】村田沙耶香(新潮文庫)
【マウス】村田沙耶香(講談社)
【タダイマノトビラ】村田沙耶香(新潮社)
村田沙耶香は、こわいです。でも面白いです。「タダイマノトビラ」は、どこか違う世界に行ってしまっていて、さらにおそろし。

【くいなは飛ばずに】髙田三郎(音楽之友社)
【来し方】髙田三郎(音楽之友社)
今度「水のいのち」を歌いますねん。というわけで、エッセイを読んでみましてん。「水のいのち」のことも、ちょっと詳しく書いてますねん。で、文章がとても美しいのにびっくりしました。音楽を聞く限り(あるいは実際に会った感じでは)ただの頑固親父かと思いきや、意外と寛容なところもあって、親しみが持てます。

【風に舞いあがるビニールシート】森絵都(文春文庫)
直木賞受賞作。なんとなくとっつきにくいような気がして読まずにいました。普通のハートウォーミングなストーリーかと思わせておいて、普通じゃない結論に結びつける。うまいなあ。「牛丼理論」が秀逸でした。

【嵐のピクニック】本谷有希子(講談社文庫)
【腑抜けども、悲しみの愛を見せろ】本谷有希子(講談社文庫)
【ぜつぼう】本谷有希子(講談社)
芥川賞とりましたね。というわけでちょっと読み返してみようかと思っているところ。最初の「江梨子と絶対」に比べると、書きたい方向が定まってきた時期なのかな。思った方向には行かないストーリー展開が見事です。

【おわりの雪】ユベール・マンガレリ(田久保麻理訳・白水社)
【四人の兵士】ユベール・マンガレリ(田久保麻理訳・白水社)
マンガレリの文章はとても静か。そして「思い出」「記憶」の扱い方がほかでは見られない飛躍がある。「おわりの雪」は父と子の思い出。「四人の兵士」は戦場の記憶なんだけど、どちらも突然と現在時制に舞い戻ったりして、「記憶」には時制がないことを教えてくれる。

【ネコトピア 猟奇的な少女と100匹のネコ】ローラン・ミヨ(橋本たみえ訳・幻冬舎)
なんとも奇妙で気持ち悪くてあと味もあまりよろしくない諧謔的な物語。猫殺しが趣味の7歳の女の子。余命わずかの独裁者。それを取り巻く人たち。これを「面白い!」と思うか「なんやこれ?」と思うか。まあわたくしは、これ以上は読む気は起きませんが。

【永遠とは違う一日】押切もえ(新潮社)
【浅き夢見し】押切もえ(小学館)
山本周五郎賞にノミネートされた「永遠とは違う一日」は、ハートウォーミングな連作集。まあ普通かな。「浅き夢見し」は処女作? 「これが書きたかった!」という意欲が溢れています。

【阪神の女房】矢野燿大(朝日新聞出版)
今季コーチに就任した矢野氏。引退したてのころの著書を読み返しました。今読むと面白い。

【真実真正日記】町田康(講談社文庫)
【人間小唄】町田康(講談社文庫)
【人生を歩け!】町田康・いしいしんじ(角川文庫)
【この世のメドレー】町田康(毎日新聞社)
【人生パンク道場】町田康(KADOKAWA)

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