2016年6月11日土曜日

【文学会議】セサル・アイラ(柳原孝敦訳・新潮社)

アルゼンチンを代表する作家のひとり(らしい)セサル・アイラの2つの中編。
「文学会議」は、世界征服を目論む作家が、天才のクローンを大量生産しようとする話。実際の文学会議のパロディも含みつつ、ということらしいけれど、話があっちゃこっちゃに行って、「~論」みたいなこともあったりして。SF的な広がりがあるかとおもいきや、メタ小説(作者が読者に語りかけるような)ふうなところもあり、とにかくしっちゃかめっちゃか。
もうひとつの「試練」は、散歩中に「パンク少女」らしい二人の少女に声をかけられたマルシアが体験する恐ろしい物語。恐ろしい? いやいや、もっとはちゃめちゃ。始めはカフェで、何も頼まずにうだうだと愛や絆や人生のつまらないことについて、嫌になるほど話し込んで、さてその次に何をするかというと、スーパーの襲撃! 客・店員を閉じ込めて殺戮と暴虐の限りを尽くす。なんという展開! その理由が「愛だ!」と叫ぶ二人の少女(名前がマオとレーニンですと!)。で、これがまた映画化されたらしい。訳わからん。
寓意が読み取れる人は読み取って下さい。

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