2015年5月21日木曜日

【すえずえ】畠中恵(新潮社)

タイガースの追っかけばかりをやっていて、読書日記が滞っています。
ゴールデンウィークから読書ペースは上向きになっていて、紹介できない本がいっぱい。ちょっとずつでも書いていきたいです。

畠中恵の「しゃばけ」シリーズの最新刊。
このシリーズの面白さは、読んでいて安心感があるところかもしれません。何しろ、心底の「悪者」というのが登場しません。騒ぎを起こす「妖かし」たちは、確かにおかしなところがあるのですが、それは「妖かし」なればこそのおかしさであって、人間とは考え方が違うのだと思えば、騒ぎの内容も納得できるのですね。むしろ人間のほうが恐ろしい。

それにしても、毎年1冊のペースで続いているこのシリーズ。長くなりすぎて、登場人物(妖怪?)も多岐にわたり、それぞれのキャラ立ちもはっきりしているし、それが小説全体の面白さにもつながっているので、途中から読んでしまっては面白さ半減になるでしょうね。どこかで手を打つ、つまり最終章を書くことになるんでしょうけど。さて、どんな結末になるのでしょう。

さて。今回の「すえずえ」は、未来のことに思いを馳せる、というのが全体のテーマのようです。病弱な若旦那も嫁取りのゴタゴタに巻き込まれます。いつもどおりの、落語のような語り口。スリル、サスペンス、ユーモア。どれも適度に混ざりこんで、ここまで続けて読んでしまうと、最後までつきあおうという気になってしまいますね。

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