2015年5月3日日曜日

【九年前の祈り】小野正嗣(講談社)

芥川賞受賞作。
カナダ人との間に出来た子供を抱えたシングルマザーさなえ。故郷の両親は外国人を「ガイコツ人」などと言うような人たち。息子ケビンは、何かのスイッチで切れミミズのようにひきつけを起こす。そして思い出す「みっちゃん姉」のこと。

全体に静かな展開なのだけれど、テーマがちょっとありがちな感じもしますね。
それでも読ませるところは読ませるけど。
この作品だけを読むと、ナンノコッチャと思うところもあるのですが、収録されている4作品を続けて読むことで腑に落ちる展開になっていきます。

ううむ。最近こういう「何作品かでひとつの世界」という作家が多いような気もしますね。
まあ作家ごとに個性はあるのだし、バックボーンもあるので、そういう作品があってもいいと思いますが。
でも「こっちを読むとあっちの内容がよく分かる」というのは、まあ「連作」ということならアリなのかな。

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