2015年8月3日月曜日

【本当のことしかいってない】長嶋有(幻戯書房)

最近の読書のやり方というか、わたくしの場合は図書館での本の借り方ということになりますが、「一人の作家に集中する」ということをしています。
理由は「一人の作家を極めたい」とかいう高尚なものではなく、「読み落としがない方がいい」という消極的なものです。
「この本は前に借りたかどうだったか」というのがわからなくなる時が増えてきました。情けいないことです。更に借りてきた本をほぼ半分ぐらい読んだところで、
「あ、前に読んだ」
と急に思い出したりするのですね。それもかなり分厚い本だったりすると、なんだか損をしたような気になるのです。
本当は、読む前にというか借りる前に忘れているくらいなのだから、読みなおしてもいいわけなんですけど。

まあそういう諦めもだんだんについてはきていますけど。
できるだけそんなことがないようにしよう、というのと、一人の作家のある作品を読んで、
「面白いなあ」
と思ったら、その作家の他の作品もかためて読んでしまおう、という気が起きるのも事実です。
まあ、その両方ですね。

というわけで、最近そういう読み方をして、かためて読んでいるのが長嶋有。
「祝福」が面白かったので、他の作品、前の作品も読んでみようかなと思ったわけ。
確か「サイドカーに犬」と「猛スピードでは母は」は、もう読んだはず。でももう一回、読みなおしてもいいかな。

と思うくらい、なかなか面白いです。
で、「本当のことしかいってない」は、書評集なのですが、これもなかなか。作者は評論家ではなく、小説家ですから、読んでいる作品・作家にある偏りがあるのは当然のこと。例えば、外国作品はほとんど触れれてもいません。
まあ、「書評」じゃなくて、「読書の仕方」とか、「本の読み方」とか、「こんな本、面白いよ」の紹介かなと思えば、これほど面白い書物もないかもしれませんね。ちょこっと「作家」の顔ものそぞかせて、書評の枠を超えてしまうのも面白いです。


さて。
その他読んだ長嶋有作品です。

【タンノイのエジンバラ】長嶋有(文藝春秋)
【泣かない女はいない】長嶋有(河出書房新社)
【パラレル】長嶋有(文藝春秋)

↑ちょっと恥ずかしい感じもする小説群。


【ジャージの二人】長嶋有(集英社)
【ねたあとに】長嶋有(朝日新聞出版)
【佐渡の三人】長嶋有(講談社)

↑「スローライフ」な作品群。


【いろんな気持ちが本当の気持ち】長嶋有(筑摩書房)
【電化製品列伝】長嶋有(講談社)
【安全な妄想】長嶋有(平凡社)

↑独自の視点のエッセイ群。


久しぶりの読書感想文でした。しばらく書かないと、書くことに構えてしまう自分がいます。構えず、自然体で、というのはとても難しいですね。とくにこういうブログになると。でも誰が読んでも構わないし、自分の感想なのだから自分らしく書くことで、それでいいと割りきって、これからも書くことにします。
あまり、間を置かずに。
読んだ尻から(^◎^;)

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